被害者請求の方法について、復習したいと思います。(先月の山梨代協セミナーから抜粋)

後遺障害部分の損害が、重度の障害になると、
賠償金全体の平均85%・・・逃した魚は、本当に大きいのです。

 
 損害賠償を氷山に例えると、眼に見える部分が傷害部分=治療を完了するまでの損害です。後遺障害部分の損害は、海の中で見えませんが、総損害額に占める割合は、12級以上ともなれば、85%となります。 赤本基準で、ムチウチで非該当、14級9号、12級13号を比較してみましょう。

 

非該当
(保険会社の提示)

149

1213

慰謝料

63万円

89万円

89万円

休業損害

228000

408440

408440

後遺障害慰謝料


110万円

290万円

逸失利益


806824

 4029137

支払われる損害額

858000

3205264

8227577

差額

 

235万円!

737万円!

※ 32歳、専業主婦、頚椎捻挫、総治療期間180日、通院実日数75日、休業損害は40日認定として、日額10000円、年収は<平成27年賃金センサス・女子学歴計>より 372万7100円、喪失率と期間はそれぞれ、14級で5%と5年(ライプニッツ係数で4.3295年)、12級は、14%と10年(7.7217年)で積算しています。

※ 赤本基準とは、東京地方裁判所をベースとした地方裁判所支払基準です。

 
 多くの被害者さんは、入院雑費、妻の付添看護、通院交通費がまだ精算されていないっ!(怒)と、細かい費用請求に躍起です。秋葉から見れば、さ末なことに大きなこだわりを持っている傾向です。数字を見れば、明らかに解決の本丸は後遺障害なのです!

 また、保険会社から治療の打切りが打診されも、ムキになって通院を続ける被害者もたくさんいます。これらはすべて間違った方向にまっしぐらです。 実際、表の通り、後遺障害認定が得られれば、症状固定後、健保を使っての治療費など、高が知れています。

 それでも、治療費の支払いにこだわり、保険会社から強制打切り、続いて弁護士対応されて、ヘロヘロになってから相談にいらっしゃる被害者さんが少なくありません。この手の被害者さんは往々にして後遺障害の認定率も低く、踏んだり蹴ったりです。