それでは、お待たせしました。各社、最新の動向について発表しましょう。
この各社の約款をトレースする作業に10時間要しました。これは出版を予定して調査したものです。後日、加筆・修正した「保険約款」の解説本の出版を予定しています。
この特約はおおむね2つのタイプに分かれます。ここではAタイプBタイプと区分します。3年前の約款から変化が見られるようです。
A:『年齢条件特約の不適用に関する特約』
1.「年齢条件に違反」して被保険自動車を運転して起した事故を補償します。
2.『対人賠償』と『対物賠償』のみ補償
3.「家族か否か」、「免許を取ってからの期間」などの条件はありません。
4.年齢条件に適合した本来負担すべき保険料と、実際に負担した保険料との差額に応じて保険金は減額されます。(全年齢 と 35歳未満不担保 の掛金差はおよそ 100 : 50 )
5.最初から「記名被保険者・本人が年齢条件を満たしていない」契約の場合は、そもそも適用できません。
<主な適用社>
富士火災 全労災 セコム
・・・この3社はAタイプBタイプを併存させています。適用上、Bタイプが優先です。
B:『運転免許取得者に対する「賠償損害」自動担保特約』
1.「新たに免許を取得した家族」が「年齢条件に違反」して被保険自動車を運転して起した事故を補償します。適用には保険会社の承認が必要です。
2.補償の対象となるのは、
・ 記名被保険者の配偶者 ・ 同居の親族(記名被保険者またはその配偶者の親族)
・ 別居の未婚の子(記名被保険者またはその配偶者の子)
3.『対人賠償』と『対物賠償』のみ補償します。
4.支払われる保険金に②の「不適用特約」のような減額はありません。
5.免許取得後30日以内に保険の異動手続きを書面で行う必要があります(掛金の追徴が生じます)。この追加掛金を支払わないと保険はおりません。
<主な適用社>
東京海上日動 三井住友 あいおい
・・この3社は元々Aタイプであったが、Bタイプに変更
損保ジャパン日本興亜 日新 AIU JA(農協)
ソニー、そんぽ24、アクサ、アメリカンホームダイレクト、三井ダイレクト、セゾン(おとなの自動車保険)、SBI
※ 以上は平成27年4月現在、主に家庭用自動車保険の約款を対象としました。