現在、道路交通法違反で刑罰の対象となる、あるいは行政処分として切符を切られることはありませんが、後部座席のシートベルトがより強く指導されると思います。

 その理由ですが、50年間の交通事故の歴史を振り返ります。現在、死亡事故は減少の一途をたどっていますが、その理由として、シートベルトの着用が挙げられます。信じられないことですが、昭和30~40年代、運転者の多くがシートベルトをしていなかったのです。私の父も、近距離ではしていなかったと思います。お巡りさんも一々切符を切らず、「注意だけ」が多かったと思います。それでも、継続的に取り締まりを強化した結果、昭和50年頃には運転手のシートベルトが普通になりました。

 次いで、助手席です。私が子供のころ、助手席でシートベルトをしている人が珍しかった印象です。1970年代(昭和40~50年)の交通戦争時代は年間1万人以上が交通事故で亡くなっていました。その内、運転者は助かるも、助手席の死亡が多かったことから、助手席のシートベルト強化が進みました。警察、自治体、教習所の指導強化が続きましたが、やはり、取り締まりと罰金が効果的でした。

 そして令和の現在、後部座席への強化に時代が進んだと思います。本日、埼玉県で痛ましい死亡事故がありました。自動車vs対向車との衝突ですが、シートベルトをしていた運転者と助手席の人は助かりましたが、(おそらくシートベルトをしていない)後部座席の方は亡くなりました。

 ここ数年、タクシー乗車時に運転手さんから「恐れ入ります、シートベルトの着用にご協力をお願いします。」と丁重に呼びかけらます。まだ、お願いベースですが、いずれ過去の歴史のように、取り締まり・罰則強化に及ぶと思います。