決して静岡に限った問題ではありませんが、被害者を取り巻く環境について。
静岡県の案件を30数件ほど担当してきましたが、いずれも苦戦しました。被害者に理解ある協力的な病院が圧倒的に少なく、「むち打ちは3ヶ月で治療終了」と決めこんでいる病院がいくつもあります。本来、医師は患者の症状を診て治療期間を判断するところ、どうやら治療費を払う保険会社の顔色を診ているようです。
保険会社もかなり厳しい対応で打ち切りも早く、後遺障害などは当然におざなり、書類の収集がいい加減。一方、被害者を助けるべき弁護士も困った先生ばかり目立ちます。相談会でも「任せた弁護士に不満」が毎度のごとくです。例えば、当地のベテラン弁護士は「人身傷害って何?」と絶望的な知識不足。また、交通事故の専門性をHPで誇っている弁護士も「むち打ちでのMRIは所見がないので提出しない」などと、後遺症に苦しむ被害者を非該当に導いている始末・・(後に私達が再請求で14級にしましたが)。被害者の2次被害が頻発しています。
安心して任せられる弁護士先生を探さなければなりません。このように、静岡は被害者にとって交通事故不毛の地、と思う次第です。
本件は、山本が対応しましたが、これでは、静岡のむち打ちの認定率も低いだろうと・・
静岡通いが続きます
併合14級:頚椎捻挫・腰椎捻挫(50代女性・静岡県)
【事案】
自動車搭乗中、直進道路で後続車の追突を受ける。その衝撃で前方に停車していた自動車に追突する。いわゆる玉突き事故である。直後から頚部痛・腰部痛等、神経症状に悩まされる。
【問題点】
治療費は労災任せ。事故直後から頚部痛・腰部痛の他、耳鳴り、めまいも発症するも、耳鼻科に関しては相手方保険会社が認めず、健康保険で通院していた。つまり、保険会社は何も対応せずに否定ばかり、これだけの事故にも関わらず・・。
【立証ポイント】
相談を受けた段階では耳鳴りやめまい等の症状が緩和していたことや、治療経緯、医師の見解など総合的に検討した結果、頚部痛、腰部痛の残存が酷かったため、各疼痛で後遺障害申請することになった。症状固定後、相手方保険会社に対し、せめてこれまでの通院分診断書の写しを送るよう依頼したところ、本件は労災任せで、何も取得していなかった(労災からの求償も自賠責にするようにしたのか?)。やむを得ず、こちらですべての病院に診断書、画像を請求し、レセプトについては開示手続きを実施した。
すべての申請書類をそろえた後、被害者請求を実施し、結果、併合14級が認定される。