「膝の曲がりが悪いのに、14級になってしまった。」
「事故以来、膝の痛みが酷いのに、画像上問題ないとされて非該当にされた」
相談会でよく聞く声です。これらの声は立証不足のまま、申請・審査してしまった結果です。これらを再請求(異議申立)で覆すには、相当の時間と苦労を強いられます。また、判定した側もそうやすやすと等級変更はしません。異議申立ての認定率はここ数年5%前後です。100人中95人は最初の申請・認定で勝負が決まっているのです。
先日、依頼者さまから聞きましたが、知人の損保勤務の方が「後遺障害の申請は何度でもできるよ(だから弁護士等に治療中から契約する必要ないよとの意味)」と言ったそうです。確かに申請の回数制限はなく、全くその通りで悪意ないことはわかっています。しかし、1回目の申請でしくじったら、2度目は勝率5%の勝負と承知した上でしょうか。無責任なアドバイスと言わざるを得ません。
神経症状の14級を確保するにも、受傷初期からしっかりと計画を立てて臨む必要があります。本件も、「画像上問題ないから非該当」の危険をはらんでいました。石橋を叩くような作業となりました。
12級も14級も立証計画が必要です。
14級9号:半月板損傷(50代男性・山梨県)
事案】
大型バイクにて直進中、脇道から右折してきた車と衝突し受傷した。主に膝を痛めた。
【問題点】
症状について詳細に聴取すると、軽度の半月板損傷が予想された。画像で明瞭に損傷が確認できなくても、症状の一貫性と通院回数が14級認定の鍵である。半年での症状固定を提案するが、ご本人は治療継続を希望しており、どこで症状固定とするかが焦点となった。
【立証ポイント】
現存する症状と保険会社からの連絡の有無等、こまめに連絡を取り経過の把握に努めた。その中で、事故から8ヶ月での症状固定に本人も了承。はっきりとした画像所見はなかったものの、医師が「半月板損傷」と判断したであろうMRI画像にて水分反応を確認、その画像打出しを添付し、後遺障害申請を実施した。2ヵ所の病院・整形外科にて約100回の通院実績があり、問題なく40日での認定となった。