他の自動車からの積載物、あるいは家屋や施設からの落下物による交通事故も少なくありません。たいては、加害者となる者に賠償保険がありますが、ない場合もあります。その場合、賠償請求は簡単ではありません。弁護士の助力が求められます。

 また、それ以前の問題として、損害調査を徹底しなければなりません。本件の場合、その診断名は、橈骨遠位端骨折と尺骨茎状突起骨折でした。後者は秋葉事務所の得意な傷病名ですから、適切な診断書と画像所見を揃えて進めました。
 
 ☞ 上肢の後遺障害 ㉛ 尺骨茎状突起骨折
 
 相手が保険会社でない場合、その支払い能力に疑問が生じますが、そこそこの企業であれば、顧問弁護士がおりますので、交渉は可能と思います。
 

相手がまともな会社なら、丁寧に立証すれば話は進みます。
 

企業への賠償 12級8号:尺骨茎状突起骨折(50代男性・神奈川県)

【事案】

二輪車で走行中、左斜面の敷地から落下物があり、その衝突を受けて受傷。どうやら前腕が折れたよう。敷地の持ち主は警察が調べてくれたそうで、その会社に対して賠償請求することになった。
 
【問題点】

その企業は、真正面から責任を認めないようだが、治療費含めわずかな賠償には応じてくれるよう。しかし、その額がほとんどお見舞い金程度・・みかねたご親戚が秋葉を紹介下さった。交通事故として、弁護士と共にしっかり解決の道筋をつけなければなりません。
 
【立証ポイント】

賠償金の多寡、その根幹を握るものは後遺障害に他なりません。まず、折れた橈骨の状態を確認、プレート固定後の癒合状態は良好であることから、「14級9号に落ちるか・・」と思ったが、尺骨の茎状突起が折れて骨片化していることに気づいた。

毎度のことですが、医師は「橈骨遠位端骨折」の治療をするのみで、尺骨はスルーの状態です。医師面談で、秋葉から尺骨茎状突起の骨片化を指摘、診断名に加えるとともに、後遺障害診断書の作成をお願いした。

自賠責保険のような審査機関を欠くので、労災認定基準の資料、自賠責保険での認定例を添付、相手会社の反応を待った。ほどなく、相手会社の顧問弁護士を通じて、12級の慰謝料や逸失利益をほぼ認めた額が回答された。

連携弁護士が粘り強く交渉を重ね、私達が介入する前の提示額から、およそ8倍以上の金額に引き上げて解決となった。