脛骨近位端骨折は高原骨折、プラトー骨折とも呼び、骨折状態によっては、膝に障害を残します。関節面の不整や変形癒合なく、半月板や靱帯に損傷無ければ、可動域制限を残すまでもない回復となります。今までも20数件、回復状況によって、様々な認定ケースを経験してきました。本件は、相当の骨折がありながら、後遺障害診断書の自覚症状の説明不足で非該当となりました。診断書の書き方や表現で認定結果が、そして、数百万円も賠償金が変わりますので怖いものです。最初に依頼を受けた弁護士先生の判断もさることながら、諦めずに相談いただいてよかったと思います。
しかし、癒合後の画像上、とくに変形はなく、痛みも軽度でしたが、12級のジャッジとなりました。審査員や顧問医によって、判定が左右されそうです。この辺が自賠責保険のグレーゾーンでしょうか。
14級と思って追いかけましたが・・
非該当⇒12級13号:脛骨高原骨折 異議申立(40代男性・東京都)
【事案】
青信号の横断歩道を歩行中、右方から自動車が進入、衝突された。救急搬送され、脛骨高原骨折の診断となる。
【問題点】
幸い予後の癒合よく、膝の可動域に影響を残さず、症状固定時には膝に疼痛が残存を主訴に被害者請求をした。通常、癒合に問題なければ、最低でも14級が認定されると考える。しかし、非該当の結果で連携弁護士に相談に来られた。後遺障害診断書、非該当通知書の理由部分を確認してみると、自覚症状欄に違和感としか記載されていなかったため、疼痛について審査されていなかったことがわかった。
【立証ポイント】
異議申立をするにあたって、主治医に症状固定時に疼痛が残存していることを再度確認して頂き、後遺障害診断書に疼痛の残存を追記して頂いた。また、初期申請時にすべての画像を提出していなかったことが判明したため、病院ですべての画像を依頼した。症状固定時から再申請まで間、まったく通院していないほど回復は良かったが・・。
再審査の結果、器質的損傷が明確で、かつ、新たな医証(追記した後遺障害診断書)により症状固定時の疼痛が評価され、12級13号が認定された。画像上、再申請では変形癒合や不正癒合が評価されたのか不明であり、初回申請と再申請両方の判定に疑問が残った。