主治医の技術と熱意で、その手術により可動域制限なく回復できました。それはもちろん最良の結果です。しかし、後遺障害の専門を標榜する私達にとっては・・悔いが残りました。
抜釘手術前であったら、可動域制限の8級2号を標準としていました。しかし、コロナの影響がここでもありました。詳しくは、以下の通りです。
賠償問題上、抜釘手術による改善は等級認定後で良かったのです
11級7号:頚椎脱臼骨折(50代女性・埼玉県)
【事案】
自動車搭乗中、センターラインオーバーの車に正面衝突され、さらに後続車の追突を受けた。直後から全身の痛み、上肢のしびれ、なにより、頚部の固定術(C5~6)によっての首の可動が失われた。
【問題点】
症状固定から半年経過した段階で、抜釘する前に症状固定する選択をしたかった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、その判断が延期になってしまった。その期間の渡過により、症状固定前に急きょ抜釘手術に進んでしまった。
【立証ポイント】
本来であれば、抜釘前に症状固定して可動域制限としたかったが、なってしまったものは仕方がない。コロナの状況も踏まえた上で、抜釘手術から4ヶ月後に受診し、後遺障害診断書を依頼した。
抜釘後、症状が劇的に改善したため、可動域制限なく自覚症状も軽度の疼痛のみ残った。重篤な怪我であったが、14級もやむなしと思ったが、金属の残っている画像所見にて11級7号認定となった。最低限の業務を遂行できたことに安堵する一方で、新型コロナウイルスがなければ・・・と悔やまれる案件になった。
新型コロナウイルスによって得をした方もいれば、損をした方もいらっしゃる。本件は間違いなく後者であったように思う。