8月の最終日ですが、今週は台風によって予定が乱されました。台風一過、秋の風を期待したいところですが、9月中旬まで猛暑が戻るようです。今年の夏は猛暑日が実に多かった。
  
 この夏に限らず、今年は後遺障害を立証しきれなかった件が散見されました。どんな難局であろうと、病院同行・医師面談を繰り返し、検査を追加し、文章作成で症状を克明に説明し、これらの作業を通じて打開してきました。しかし、全件に成功したわけではありません。努力むなしく、決め手を欠いた件がありました。

 障害の真実は、被害者自らが訴える自覚症状だけでなく、証拠=画像や検査による立証が必要です。もちろん、付随する医師の診断も必要です。ところが、自賠責保険の判定は、画像・検査に重きを置きます。明らかな医証がなければ、自覚症状など聞く耳持たず、主治医の診断名すら否定されるのです。つまり、患者の言う「痛い」と、医師がつける診断名だけでは、必勝とならないのです。それだけで認定される可能性があるのは、ある意味、神経症状の14級9号だけです。

 このような厳しい立場に陥った被害者さんにとって、「障害は認められて当然」と言った油断は命取りになります。自身の症状を自ら立証しなければ、正当な賠償金にたどり着くことはできません。立証しきれなかった案件について、毎度痛感させられます。

 画像や検査に明確な所見がなければ、苦戦は必至です。この場合、痛みの残存で14級9号だけ確保することだけは維持すべきでしょう。ところが、被害者さんによっては、主治医の不興を買う、医師や病院に食って掛かるなど、治療先をも敵に回す方がおります。医師も人間です。その医師と人間関係を構築できない場合、周囲すべてが敵になってしまうのです。そのような苦境に陥らないよう、私達が病院に同行して進める必要に駆られています。
 
 このように、私達の姿勢は常に、被害者さんに寄り添った医療立証を果たすことです。それでも、100%の勝利にならないことが、弊所の苦悩です。めげずに今年後半も務めていきたいと思います。