では、肝心の後遺障害等級は?
咀嚼、言語の機能障害を準用します。
咀嚼・言語の機能障害 |
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1 級 2 号 |
咀嚼および言語の機能を廃したもの、 咀嚼機能を廃したもの? 流動食以外は摂取出来ないもの、 |
3 級 2 号 |
咀嚼または言語の機能を廃したもの、 言語の機能を廃したもの? 4 種の語音の内、 3 種以上の発音不能のもの、 |
4 級 2 号 |
咀嚼および言語の機能に著しい障害を残すもの、 咀嚼機能に著しい障害を残すもの? |
6 級 2 号 |
咀嚼または言語の機能に著しい障害を残すもの、 言語の機能に著しい障害を残すもの? 4 種の語音の内、 2 種の発音不能のもの又は綴音機能に障害があるため、言語のみを用いては意思を疎通することができないもの、 |
9 級 6 号 |
咀嚼および言語の機能に障害を残すもの、 咀嚼の機能に障害を残すもの? 固形食物の中に咀嚼ができないものがあることまたは咀嚼が十分にできないものがあり、そのことが医学的に確認できるもの、 |
10 級 3 号 |
咀嚼または言語の機能に障害を残すもの、 言語の機能に障害を残すもの? 4 種の語音の内、 1 種の発音不能のもの、 |
1~3級は完全介護の状態です。4~6級の障害も重度で、ご自身で食事をすることがままならない状態といえます。嚥下障害単独の症状であれば、通常10級が対象になります。
頭部外傷による脳神経の損傷、脳梗塞で咽喉支配神経が麻痺した場合にも嚥下障害は発症します。高次脳機能障害患者からその症状を拾い出すと、嗅覚障害、味覚障害等、五感にまつわる障害が出てくる時があります。これは脳の機能が壊れてしまった場合と、それぞれ嗅覚神経、味覚神経の経路に問題が生じてしまった場合があります。嚥下障害の場合、後者に当てはまります。小脳や脳幹部に損傷がある場合、嚥下障害も当然に疑うべきと思います。