ショパール関節脱臼骨折
（１）病態
ショパール関節とは、上記の関節で、横足根関節とも呼ばれています。
交通事故１１０番では、①歩行中にトラックが接近し、足を踏まれた、②バイクで直進中、交差点で他車と出合い頭衝突してスピンした相手自動車の衝突を受け、道路脇のブロック塀に激突、左足を挟まれた、③工場内で積み降ろし中に、重量物が左足に落下した、④軽トラックを運転中、11トントラックとの衝突で、運転席部分が大きくクラッシュし、右足を挟まれた状況でショパール関節の脱臼骨折を経験しています。足を強く挟まれ、内側に捻挫したとき、つま先が足の裏を向く、内返しの力が加えられたときに、ショパール関節は脱臼骨折するのです。
（２）症状
足の甲の激痛、腫れ、皮下出血、脱臼骨折では、変形が確認でき、歩くことができません。
（３）治療
XP、CT、MRI検査で確定診断が行われています。ショパール関節の脱臼骨折では、立方骨、舟状骨、距骨、踵骨が影響を受けます。治療は、まず、徒手整復が試みられ、整復不能なときは、内固定による整復が行われています。
後療法は6～8週のギプス固定後に、アーチサポートを装着し、歩行リハビリが開始されます。
（４）後遺障害のポイント
Ⅰ. ショパール関節脱臼の合併症として、①足部の変形、②変形性足関節症の進行、③前足部の血行障害、④舟状骨の無腐性壊死、⑤底神経損傷などが報告されています。
後遺障害では、①～⑤を丹念に拾い上げていく作業となります。これまでの経験則では、脱臼・骨折部の痛みが、後遺障害の中心です。3DCTで、踵立関節や舟距関節をチェックしていくと、ほとんどで亜脱臼の痕跡が確認できます。内固定術を行っても、完璧な整復で元通りは期待できないのです。
亜脱臼の痕跡や関節面の変性を立証することで、14級9号、12級13号を狙います。靱帯部分の損傷はMRIで立証することになります。
Ⅱ. 開放性脱臼骨折で転位が大きいとき、踵骨骨折を合併しているときは、手術が選択されますが、ほとんどで、足関節に12級7号以上の機能障害を残します。踵骨骨折に腓骨神経麻痺を合併、足底板の装着と杖の使用を余儀なくされ、併合7級を獲得したこともあります。
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