企業は日夜、技術開発に取り組み、オリジナルを作り上げます。これは自社の繁栄だけではなく、同時にその新技術は社会に貢献するものです。しかし、新技術・新製品の開発には時間はもとより、大変な経費がかかるものです。企業はその努力が利益となるよう、特許をとります。その特許(権利)が普遍的に利用されるほど莫大な収入となります。
しかし、例外的に特許を持たず、もしくは使用料を無料として技術を世界に広めた例があります。その代表例でよく語られるのが自動車メーカー ボルボの三点式シートベルトです。この半世紀、ほぼすべての自家用車に採用されているシステムです。もし、特許料をとっていれば大変な利益となったはずです。しかし、ボルボはこのシステムが大変優れており、普遍的になることを確信しつつも、あえて使用料をとりませんでした。以下、控えめながらメーカーのHPから・・
ボルボのエンジニア、ニルス・ボーリンほど多くの命を救った人物はそう多くはいないでしょう。ボーリンは、PV544に初めて搭載された3点式シートベルトの開発者です。ボルボは、誰もがこの技術の恩恵を得られるよう特許を無償公開しました。以来、このシートベルトは100万人を超える人々の命を救ったとされています。
3点式シートベルトとは…
ドアの下の方に1カ所、ベルトが伸びる部分の下の部分に1カ所、ベルトをロックする部分の根本に1カ所と、3カ所で固定しているので3点式シートベルトと呼びます。
もはやこれがシートベルトの基本です。
昨日、病院同行の帰路、九州の弁護士先生から、後遺障害についてご質問のお電話をいただきしました。大宮駅の雑踏の中、30分近く出来るだけの回答をさせていただきました。私達のグループは知識・経験・資料を秘匿したり、出し惜しみすることをしません。なぜなら、その情報は士業者を通して、究極的には被害者のお役に立つことに繋がるからです。業務上の秘密などとコソコソしていては人間が小さくなるだけです。まして私のもつ知識などささやかなものです。すべてを開示する姿勢に周囲は信頼を寄せるものと確信しています。それは結局、利益として帰ってくるものです。
何かボルボの姿勢に通じるように感じました。
被害者を救うメディカルコーディネーターのシステムをもっと拡充できないか・・新しい仕事である故、簡単には人材養成はできません。周知も進まないでしょう。それでも半世紀後を夢想して日々、悪戦苦闘しています。