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 前回説明した内容ですと、インピンジメント症候群は肩の動かしすぎや老化が原因で発症するものです。通常、交通事故で発症するものではありません。よって、インピンジメント症候群で交通事故の後遺症(後遺障害)を主張する場合、等級が認められる可能性は極めて低いといえます。

 しかしながら、一方で交通事故に遭ってから肩に症状が出てくる相談者もおります。これはムチウチの場合と同様に、事故が引き金となって症状が出てきたことになります。

 そこで、調査事務所に症状を信じてもらうように立証を進める必要があり、最低でも以下の点を一つ一つ確認していく必要がありそうです。
 
① 事故から症状固定時期まで一貫して肩の症状が残存したこと。
 
 交通事故が引き金で肩を痛めたのであることから、事故当時に痛みを訴えていないと信用されにくいことになります。また、事故からしばらくしてから肩に痛みを訴えても交通事故との因果関係を否定されてしまいます。事故の当初から肩に痛みがあるのであれば、必ず医師に伝えてください。
 
② MRIの画像撮影をすること。
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kata 前回述べました通り、インピンジメント症候群は上腕骨と肩峰の間に腱板、滑液包が挟み込まれることで発症するものでありますが、この症状がひどい場合には腱板の部分断裂が生じている場合があります。そこで、筋肉等を写すMRIの画像撮影をし、腱板の部分断裂が起きていることを画像上確認できれば、そのことを医師に診断して頂く必要があります。
 
③ リハビリ・治療を真面目に継続すること。

 ムチウチと同様におよそ週3~4回を目安にリハビリ・治療をしてみてください。後遺症(後遺障害)は基本的に生涯に渡って治らない怪我を指します。人によっては後遺症(後遺障害)が残存せず、完治できる場合がありますので、是非治療を頑張ってください。

 なお、辛い症状が事故から継続しているのであれば真面目に治療するはずだと保険会社や自賠責は常識的に考えます。

 以上がインピンジメント症候群での後遺症(後遺障害)の立証上で大切な点であるとみております。これでもし仮に等級が認められる場合、多くは14級9号が認定対象になりそうです。

 しかしながら、肩が主な症状であったとしても、その他の症状を無視する必要はありません。例えば、肩をやられた場合、大抵の方は首もやられており、頚椎捻挫等、ムチウチが診断されていることがあります。

 首も症状があるのであれば、首のリハビリ・治療を継続し、症状固定時にもまだ症状が残存しているのであれば、後遺症(後遺障害)の対象になりえますので、事故当初から症状を医師にしっかり伝えた上で治療をしてください。