平成23~25年の間、受任した被害者のケースを挙げます。
高次脳機能障害を否定(12級13号)⇒訴訟にて認定(5級2号)
30代の男性。バイクで自動車と衝突、救急搬送され即入院、めだった脳の損傷はなく、意識もはっきりしてきたので1週間後に退院となりました。その後、めまい・ふらつき、見当識、記憶障害に悩まされる。改善なく高次脳機能障害として後遺障害を申請するも否定され、めまい・ふらつきのみの評価で12級認定。そして時効が迫る。
その後、高次脳機能障害の立証にのべ2年の間に18回も検査通院(うち10回同行)を行い、並行して連携弁護士が訴訟を進める。意識障害、画像所見がいずれも微妙であったが、専門医の協力のもと必死に立証作業を進める。地裁の判決でようやく5級を勝ち取る。その後相手損保が控訴し、高裁で和解となった。
なぜこのような苦しい道となったのか・・・最初の病院で医師が高次脳機能障害の予断をしなかったことに尽きます。本人の様子が多少おかしくても、普通に歩けたり話ができれば、時間の経過とともに回復するはずと判断します。確かに多くの患者は回復するでしょう。しかしこのように主治医から見逃される被害者も少なくないのです。
高次脳機能障害を否定(14級9号)⇒異議申立で認定(5級2号)
同じく30代の男性。歩行中、後方より自動車に衝突され、頭部を負傷。画像所見、意識障害があったものの、退院後の経過もよく、単なる脳外傷の診断のまま、神経症状の残存(14級9号)に留まる。しかし易疲労性(精神的に疲れやすい)は改善せず、性格変化が判明、その後異議申立を行い、5級認定。
これは当時ひとり暮らしであったため、家族の観察が及ばず、事故後微妙な変化を主張する者がいなかったために見逃されてしまった例です。別住まいの親族が改善しない症状に気付き、当方に依頼、弁護士と共同して異議申立てを行い、正しい認定に至った。
これらは後日まとめて「実績ページ」に再編集します。