交通事故業務をする行政書士は減少の一途と思います。まして、後遺障害を追う事務所は珍しい部類になったと思います。それでも、後遺障害が最も重要な損害立証の場面であり、弊所も病院同行を通じて日々追っています。
損害賠償金のおよそ70%を占めるお金こそ、後遺障害の慰謝料と逸失利益です。その等級認定は決して軽視できません。等級の取りこぼしは、何十、いえ何百、時には何千万円を失うことになります。もう、こんなことを言う弁護士はいなくなったと思いますが、「診断書は医師が書くもので、それにしたがって審査されるのみです」(だから)「診断書の記載を待っています」・・・これではダメなのです。実は、医師のすべてが障害の有無、程度を完璧に記載するわけではないのです。
臨床上の医学的判断と、賠償上の後遺障害認定は微妙に食い違いが生じます。例えば、鎖骨骨折後の変形ですが、多少、仮骨形成(癒合の過程で、癒合部が骨が太くなる)から骨折部が盛り上がっていたとしても、医師は後遺症とは考えません。確かに日常生活に重大な支障はないと思います。しかし、後遺障害では、その変形が裸体で確認できれば、体幹骨の変形「12級5号」の評価になります。その自賠責保険金は224万円です。そのような場合、被害者さんに同行し、医師面談にて主治医に説明、記載を促しています。
たいていの医師はご理解下さり、協力していただけます。まれに、へそ曲がりのお医者さんは頑として認めないこともありますが・・。だからこそ、私達が診察に立ち会った方が、間違いのない後遺障害診断書の記載と、後遺障害の立証が果たせるのです。もし、医師任せ、患者さん任せにしたら・・変形の記載が漏れると200万円以上を失うのです。任せた弁護士も、見逃すことがあります。すべての弁護士先生に後遺障害の知識が備わっているとは限らないからです。。
やはり、病院同行と診断書記載への監視は譲れない作業です。秋葉事務所にたどり着かず、今日も多くの被害者さんが数百万円を失っているかもしれません。