♪ けんかをやめて~ 二人を止めて~ 私のために争わないで もうこれ以上~ ♪

これは竹内まりやさんの「けんかをやめて」という曲。三角関係にある女子からの歌です。(男子側から)歌詞を見ていると、この女子にイラっとしますが・・。

さて、交通事故の電話相談で必ず挙がるのが、「相手保険会社との交渉」です。特に請求している費用が支払われないことについて打開策を求める相談です。
慰謝料などは治療終了後の示談時に交渉しますが、治療費や休業損害、通院交通費、自動車の修理費、代車代などは至急の支払いが求められます。もちろん、事故との因果関係がはっきりしている項目については保険会社もあっさりと認めて支払ってくれます。しかしすんなりいかない項目もあります。以下、代表例を挙げます。

 

1、どう考えても軽い衝撃なのに、重篤な症状で入院・通院が長引く

2、(過少申告している)自営業者が申告書以上の休業損害を請求する

3、単なる、むち打ちや足腰以外のケガで通院にタクシーを使う

4、事故での損傷以外が盛り込まれていると疑われる自動車の見積もり

5、古い自動車の修理代=価値を上回る修理費

6、代車も特定の車種にこだわる「ベンツじゃなきゃ嫌だ!」

7、5年以上も乗っている軽自動車の格落ち代

8、過失割合、特に交差点の出合頭衝突で「0:100じゃないと納得できない!」

9、可能性が定かでない、就職、進学がかなわなっかた等の将来損害

10、その他、事故とは関係ない出費 (爆笑「あきれた請求」についてはいずれ取り上げます)

 

 これらで保険会社と激しくやり合います。打開策は、まずしっかりと証拠を示すことです。それでも交渉が暗礁に乗り上げたら、弁護士に依頼し交渉を進めることです。「支払い側」=「お金を握っている」保険会社が圧倒的に有利です。法律家のバックアップなしにはあまりにも苦しい戦いとなります。
しかし少なからず、冷静さを失って保険会社担当者とケンカになってしまう被害者もおります。紳士的に交渉ができなければ、保険会社は伝家の宝刀、「弁護士対応」とします。担当者を罵倒した数日後、弁護士名がずらっと並んだ通知書が届きます。内容を簡単に言いますと・・・「これ以上、お金が欲しくば法廷で会おう!」です。ここに至って被害者は行き詰まり、相談の電話をかけてくるのです。

 弁護士対応とされたら対策は限られます。これ以上は弁護士を雇って徹底的に争うか、保険会社に屈するかの選択しかありません。冷静な交渉ができなかった被害者はこのような岐路に立たされます。これが後遺障害が見込まれるほどの重症者であれば引き受ける弁護士、行政書士もおりますが、通院のみ軽傷や物損のみの事故では利益性薄く、引き受ける法律職者も限られます。よっぽど暇な弁護士でなければ引き受けません。

 この手の相談者には私も助けようがないケースばかりです。結果として保険会社と多少妥協的でも我慢し、交渉で解決させる方が良いのです。ケンカはもってのほかです。感情に任せた結果を受け入れるしかありません。とにかくケンカする前に相談にきて下さい。ケンカして弁護士対応となった、ぐちゃぐちゃな案件の後始末を引き受けてくれる法律家はいないと覚悟して下さい。

 

談者:「弁護士対応となってしまいました。どうすればよいでしょうか?」

秋葉: 「普通の交渉でしたら保険会社は弁護士を入れませんよ・・・ケンカしませんでしたか?」

相談者:「いえ、多少強く言いましたが・・・」

秋葉: 「なんて言ったの?」

相談者:「あの・・・殺すぞ!って」

秋葉: (絶句:ダメだこりゃ)「自分でケンカを売ったのですから、最後まで自分で戦って下さい」