先日、今年の業界ニュースとして、ビックモーター事件、大手損保社のカルテル問題を挙げました。昭和では許されていたことが、ことごとくNGなっています。悪いことはわかるのですが、長年のしきたりや慣習だから、必要悪だから・・と容認してきたことが、令和では「不適切にもほどがある」となったのです。
営業畑の話では、今年の年末に以下のニュースを目にしました。自爆営業は、売上ノルマを達成するため、従業員が商品を購入することを指します。季節商品と言えるクリスマスケーキなども、その悪癖によって、販売関係者が余ったケーキを買わされると聞きました。悪いこととは思っていても仕方ないとされてきた事の一つと思います。
自爆営業が多い業界、生保・損保ともに保険会社です。販売の現場では、何かとキャンペーンで特定の保険販売にはっぱをかけられます。そして目標に達しない場合、自ら(家族、親戚、友人含む)保険に入るのです。しばらくしたら、解約することも多いので、まったくもって、数字を合わせるだけの姑息な帳尻合わせと思います。そんなことは、わかっているのですが、長らく仕方ないとしてきました。
おそらく来年、保険販売の現場から多くの問題が浮上すると予想します。訴訟沙汰も起きるかもしれません。営業マンが上司からノルマ達成のため、「自分で保険に入れ」と言われたら録音すべきでしょうか。逆に、上司は直接に自爆営業しろとは言わず、「察しろ」とするはずです。熱湯風呂で「押すなよ、いいか押すなよ」(本当は「早く押せよ!」)のやり口です。大組織こそ、より巧妙なやり口になると思います。
<以下、時事ドットコムニュースさまより引用>
「自爆営業」禁止、指針に明記へ 自腹でノルマ達成はパワハラ―厚労省
従業員がノルマを達成するため自腹で不必要な契約を結ぶといった「自爆営業」について、厚生労働省が対策強化に乗り出すことが25日、分かった。労働施策総合推進法に基づく指針に自爆営業がパワハラに該当する場合があると明記し、企業の対応を促す。
自爆営業を巡っては、自動車保険の契約や共済加入を強いられるといったケースや、コンビニエンスストアで売れ残ったクリスマスケーキを買わされる、飲食店で注文ミスによる代金を負担させられるなどの事例が報告されている。
厚労省は対策として、(1)優越的な関係を背景とした言動(2)業務上必要かつ相当な範囲を超える(3)労働者の就業環境が害される―の3要素を満たす場合は、パワハラに該当すると明確化する。パワハラと判断されれば、企業は対策を講じる義務が課される。
自爆営業に関しては、政府が6月、対策強化を盛り込んだ規制改革実施計画を閣議決定。厚労省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の議論では既に委員の賛同が得られており、年内にも指針への明記が正式決定される見通しだ。