歩行者は守られています
今回は歩行者側に問題のある事例を紹介します。年齢・性別を問わず目立つのが歩行者の信号無視です。ドライバー側からしてみれば、歩行者が違反を繰り返したとしてもお咎めなしというのは正直納得できません。違反切符を切られてもいいような気がしますが、それはさておき歩行者の赤横断と自動車の青信号進入の過失について見てみましょう。
(前回同様、私の通勤経路内で最も信号無視をする歩行者が多い交差点です。)
信号無視の歩行者が全面的に悪いのだから歩行者100:自動車0ではないのか?と感じる方もいると思いますが、正解は歩行者70:自動車30です。ドライバーからすれば、「違反をしていたのは歩行者の方なのに、自動車というだけで3割も取られるなど到底納得できない!」と憤りを抱く方が多いと思います。しかし、それだけ歩行者は守られるべきであり、通常に前方を注視していれば容易に認識できるであろうという理由からこのような過失割合になっております。
ほとんどの場合、基本の過失割合があり、修正要素によって±されるのですが、赤信号横断の歩行者は70以上になることはありません。既に過失割合が大きいという理由から「夜間」、「幹線道路」、「直前直後横断・佇立・後退」といった場合にも考慮されません。ものすごいですね。
逆に「住宅街・商店街等」、「児童・高齢者」、「集団横断」では歩行者に-10、「幼児・身体障害者等」では-20となっております。(判例タイムス【5】
尚、交通弱者である歩行者も、過去には重過失致死罪や重過失傷害罪で書類送検されている例もあるようです。
このような場合、治療費の一括支払いがないことはもちろんのこと、車の修理費の請求等、負傷したにもかかわらず、相手方に支払いをしなければなりません。自業自得といっては元も子もありませんが、ぜひとも最低限の交通ルールは守っていただきたいものです。