(4)後遺障害のポイント   Ⅰ. 踵骨骨折では、骨折部の疼痛が後遺障害の対象となります。症状としては、歩行時の痛み、坂道や凸凹道の歩行や長時間の立位が困難なこと、高所での作業が不可能であることが代表的です。この状態が2年以上続くこともあり、症状固定の決断に頭を悩ますことがあります。

 事務職であれば、問題を残しませんが、営業職や現業職では就労復帰が遅れることになります。当面の配置転換が可能であれば、この問題はクリアーできますが、全員がそうではありません。こんな状況でも、骨癒合が完了した時点で、症状固定とすべきと考えています。XP、CTで骨折後の骨癒合状況を立証し、なんとか、12級13号を獲得する方向です。   ① これ以外には、ベーラー角度の減少による外傷性偏平足があるかどうか?

 ベーラー角は、20~40°が正常ですが、健側と比較して問題提起をしています。これもONISのソフトで、秋葉事務所では、たちどころに計測できます。   ② 距踵関節面に、僅かでも変形が認められるかどうか?   ③ MRIで、内外果の周囲の腱や靱帯、軟部組織に瘢痕性癒着が認められるかどうか?    これらのチェックも怠りません。配置転換もなく、就労復帰が遅れていたとしても、受傷から2年以上、休業損害を払い続ける相手の損保は、1社もありません。治療の打ち切り、示談解決が督促されることになります。どうせ打ち切られるのであれば、予想される休業損害を含めた示談交渉をすればいいのです。

 さすがに、被害者の言い分を損保が丸呑みすることはありませんが、有能な弁護士なら、慰謝料の増額交渉で、これを実現しています。   Ⅱ.

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 足根骨 距骨 骨軟骨損傷(きょこつこつなんこつそんしょう)

    (1)病態

 距骨骨折のところで、「距骨表面の80%は関節軟骨で覆われ、筋肉が付着していないこともあって、血流が乏しいのを特徴としています。」と解説しています。足関節を骨のパーツで見ると、距骨は、脛骨と腓骨で挟み込まれるソケット構造となっています。そして、距骨は、距骨滑車で脛骨や腓骨と、距骨頭で舟状骨と、前・中・後距骨で踵骨と関節面を形成しており、これらの表面は、軟骨で覆われているのです。

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 足根骨 距骨々折(きょこつこっせつ)

(1)病態

 距骨(きょこつ)は、踵骨の上方にあり、脛骨、腓骨と連結して足関節を形成しています。距骨表面の80%は関節軟骨で覆われ、筋肉が付着していないこともあって、血流が乏しく、骨折では、血行障害となり、壊死・偽関節・関節症変化による機能障害を残すことが多く見られます。

 交通事故では、自転車やバイクVS自動車の衝突で、転倒時に、背屈を強制され、脛骨や腓骨に挟まって骨折することがほとんどですが、自動車を運転中に、センターラインオーバーの相手車を発見、急ブレーキをするも間に合わず正面衝突を受けた例でも、距骨骨折を経験しています。   (2)症状

 足首の激痛、腫れ、歩行はできません。   (3)治療

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(5)医学論文の紹介   『整形外科と災害外科47』の、「外傷性足部尖足変形の治療成績」 から引用します。   ① 概要  仕事中に、鉄柱が右大腿に倒れて受傷、傷病名は、右大腿骨開放粉砕骨折、右膝窩動脈損傷、右膝窩動脈は、血管吻合、創外固定、植皮を施行される。

 その後、血管造影検査で、膝窩動脈に80%の狭窄を認め、PTA(※1)を施行される。受傷後3カ月で、髄内釘による大腿骨骨接合術施行され、術後LLB装具(※2)を使用するも、右外傷後麻痺性尖足、大腿短縮を認め、受傷後9カ月目に紹介転院となる。   ※ PTA・・・血管の狭窄に対して、ピッグテールカテーテルを留置する治療法、

※ LLB装具・・・長下肢装具long leg brace    転院時、右大腿の短縮と右麻痺性尖足変形を認める。MMTにて、右前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋の筋力は、0であった。X線所見では、右足関節脛踵角110°右足部Hibbs角116°右足部Meary角27°右足部MTB角79° であり、内反凹尖足変形を認めた。   ② 治療  この症例に対し、右足関節、距骨関節、踵骨l関節の3関節固定術を施行した。

 踵立方関節を切除し、距骨下関節は懊状に切除した。

 骨萎縮を認め、距骨と踵骨,距骨と立方骨をステープル2本にて固定した。

 足底よりK-wire2本を刺入、更に1本を距舟間の固定のため刺入した。

 術後6週間ギプスによる外固定を施行し、その後、脚長差を補正したSLB装具にて荷重開始した。

 術後7ヵ月にて尖足の矯正は良好であるが、患者は右大腿短縮による生活上の支障を訴え、右下腿脚延長目的にて入院となる。現状、右大腿骨にて4.7cmの下肢短縮を認める。

 右大腿骨は変形癒合しており、髄内釘抜去により骨折する可能性が高く、また受傷時、膝窩動脈損傷があり、大腿骨での骨延長は危険であると判断し、右下腿にイリザロフ骨延長器を設置した。

 術後1週より1mm/日にて骨延長を開始すると同時に尖足変形防止のため、前足部背屈を開始した。現在約6cmの骨延長を得ており、尖足変形もみられておらず骨癒合待機中である。   ③ 結び  距骨下関節の高度変形が存在し、そのために足部痛や尖足変形を生じているときは、足関節固定術の適応となる。また尖足変形を矯正することにより下肢短縮が著明となることがあり、2~3cmの短縮であれば足底挿板にて矯正可能であるが、5cm近い短縮であれば跛行も著しく、両股関節以下、両下肢への悪影響が懸念され、脚延長術を施行すべきであると考える。

 外傷性足部尖足変形は、足部及び足関節部への直接外力によるものが圧倒的であるが、コンパートメント症候群によるもの、下腿骨折加療中の固縮、火傷後、大腿骨骨折後の腓骨神経麻痺によるものが報告されています。   ④ 交通事故110番 宮尾氏のコメント

 本件は、労災事故ですが、被害者は、右大腿骨開放粉砕骨折、右膝窩動脈損傷の重症です。右膝窩動脈は端々縫合でつながり、膝上切断は免れましたが、膝窩動脈に80%の狭窄が認められ、PTAカテーテルが留置されています。右大腿骨は開放性粉砕骨折であり、髄内釘による大腿骨骨接合術が行われたのですが、変形癒合しています。骨短縮と右外傷後麻痺性尖足の治療目的に、受傷後9カ月目に転院しています。

 この症例に対し、右足関節、距骨関節、踵骨l関節の3関節固定術が行われました。術後6週間ギプスによる外固定を施行し、その後、脚長差を補正したSLB装具にて荷重を開始、右外傷後麻痺性尖足は矯正されていますが、右大腿骨では、4.7cmの短縮が認められています。

 この段階で症状固定とすれば、右大腿骨の変形を無視しても、右足関節の用廃で8級7号、1下肢の3cm以上の短縮で10級8号、併合7級となります。

 被害者は、下腿骨にイリザロフを設置して骨延長術を受けており、仮骨形成では6cmの骨延長が実現できたので、短縮による10級8号はなくなりました。

 この症例で驚かされたのは、足関節に傷病名がないことです。右大腿骨開放粉砕骨折後の骨短縮と変形骨癒合、そして右膝窩動脈損傷後の血流障害によって、負傷をしていない右足関節と右足部に右外傷後麻痺性尖足を発症したことです。重症例の後遺障害では、受傷部位にこだわることなく、俯瞰的に全体を見ていかなくてはなりません。    次回 ⇒ 足根骨 距骨々折  

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 足根骨 外傷性内反足(がいしょうせいないはんそく)

  (1)病態

 足の裏が内側を向き、外側部だけが地についている状態を内反足といいます。先天性のものが圧倒的ですが、交通事故外傷でも発症しています。

 外傷性内反足に遭遇したときの、被害者10歳、女子の傷病名です。短腓骨筋腱完全断裂、長腓骨筋腱部分断裂、距骨外反、前足・中足部内反、右腓骨遠位端骨折、右腓骨遠位端線損傷、足関節の捻挫に伴って発症するものに、短腓骨筋腱縦断裂があります。

 足の捻挫のあと、いつまで経っても外踝(くるぶし)の後部に疼痛があるときは、短腓骨筋腱断裂が疑われるのです。上図は、オレンジ色が短腓骨筋、青色が長腓骨筋で、どちらも、足首を外へ返す働きをしています。○印は、外踝(くるぶし)の後部ですが、そこでは、長・短腓骨筋腱が並んで走行しています。足首を内側に捻挫したとき、短腓骨筋腱は、長腓骨筋腱と外踝の骨である、腓骨の間に挟まり、ストレスがかかり、縦に断裂することがあります。また、短腓骨筋腱が外踝の後ろで亜脱臼して、縦に断裂することもあります。   (2)症状

 外踝の後ろで、短腓骨筋腱が断裂したときは、外踝の後部が腫れ、疼痛を発症します。内反足は、外反扁平足とは逆の、「く」の字の変形をきたします。

 今回は、交通事故による外傷性内反足に遭遇しました。10歳女子の右足は15°内反しており、左右の下腿部の比較で、右下腿が1.5cm筋萎縮しています。足の外側縁の接地であることから、第5中足骨々頭と基部にタコができていました。足の内返しとともに尖足(せんそく)を伴うことが多いのですが、その徴候は認められていません。

 ※ 尖足(せんそく) 続きを読む »

(4)後遺障害のポイント   Ⅰ. 変形性足関節症は、変形に伴う痛みと、足関節の可動域制限が後遺障害の対象となります。

① レベルⅠは、常識的には、痛みで14級9号となります。   ② レベルⅡ、Ⅲでは、多くが、足関節の可動域制限で12級7号となっています。

 ただし、下位脛骨骨切り術が成功したときは、14級9号に下がることがあります。   ③ レベルⅣで足関節固定術がなされたときは、足関節の用廃で8級7号となります。

 人工足関節置換術では、10級11号が認定されますが、人工足関節置換術は、少数例です。   Ⅱ.

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 腓骨筋腱周囲炎(ひこつきんけんしゅういえん)    2015年5月3日、広島の黒田博樹投手が、出場選手登録を抹消されました。チームドクターの診察では、右腓骨筋腱周囲炎と発表されています。開幕から、慢性的な痛みがあり、アイシング治療を続けてきたが、改善していないとのことです。そこで、箸休めですが、腓骨筋腱炎を検証してみます。直接の交通事故外傷では、まず、みられませんが、予後に二次的発症の可能性はあります。

(1)病態

 上図は、オレンジ色が短腓骨筋、青色が長腓骨筋で、どちらも、足首を外へ返す働きをしています。印は、腱鞘の中を、長・短腓骨筋腱が並んで走行しています。腓骨の下部骨端に付着した腓骨筋腱は、膝の外側の下から足首の外くるぶしの後を通り、足の甲に付いていて、足を外返しするときに使う筋肉で、下半分は腱で構成されています。

 そうです、右腓骨筋腱炎は、下腿に発症する腱鞘炎なのです。黒田博樹投手は右投げですから、右が軸足となります。右足を強く踏ん張る動作の繰り返しで、炎症を起こしたものではないかと予想されるのです。   (2)症状

 腱鞘炎ですから、患部の痛みと腫れです。メジャーに比較して、日本球界のマウンドは、やわらかい?マウンドの斜面では、日本球界の角度は、急である?マスコミでは、こんな指摘がなされていますが、右足への負担がどうだったのか、今のところ不明です。   (3)治療

 発症の原因となっている動作が制限されます。保存的に、テーピングや外用剤で湿布を行いますが、関節の拘縮を防止する必要から、リハビリでは、軽いストレッチが行われています。痛みが激しいときは、ステロイド注射を併用します。

 いよいよ改善が得られないときは、腱鞘の切開術が行われ、圧迫を開放しています。   (4)後遺障害のポイント

 ほとんどは、保存療法で改善が得られます。改善が得られなくても、腱鞘の切開術で完治しますから、後遺障害は残しません。    次回 ⇒ 変形性足関節症  

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 足関節離断性骨軟骨炎(そくかんせつりだんせいこつなんこつえん)

外側の前距腓靱帯が断裂し、距骨と脛骨が衝突しています

  (1)病態

 足関節離断性骨軟骨炎は、足首の捻挫に伴う二次的な損傷ですから、受傷直後は、足首に痛みを感じることはなく、違和感を自覚する程度です。

 そして、この症例は、骨端線が閉鎖する以前の小・中学生に多く見られるのが特徴です。後段の55距骨軟骨損傷でも解説していますが、足首の内返し捻挫で、距骨と脛骨が衝突すると、その衝撃で、前距腓靱帯は部分断裂を起こします。   (2)症状

 足関節の痛みと腫れ、足首の不安定な感じ、捻挫を繰り返す、適切な治療が行われず、靱帯損傷が放置されても、安静にしていれば、腫れや痛みは引いてくるのですが、足関節には不安定性が残り、歩行や運動で、捻挫を繰り返すことになります。

 内返し捻挫の回数を重ねるうちに、脛骨の衝突を受けた距骨軟骨が傷つき、さらに症状が進行すると、距骨軟骨下の骨が壊死を起こし、軟骨が剥がれてしまいます。剥がれた軟骨は、関節遊離体(※)となって関節の中を動き回り、激痛、関節水腫を発症、また、関節の間に挟まって、ロッキングを起こすこともあります。 続きを読む »

 𦙾腓靱帯損傷(けいひじんたいそんしょう)   (1)病態

 前距腓靭帯よりも、上側に位置し、前方を前脛腓靱帯、後方は、後脛腓靱帯と呼び、脛骨と腓骨の下部を離れないように締結しています。

 

 脛骨と腓骨は距骨を内外側から挟み込むソケットであり、その役目を果たすため、脛腓靱帯により、脛腓間をしっかり連結しています。脛腓靱帯損傷で、脛腓間の連結が緩むと、距骨の円滑な運動が損なわれて、距骨軟骨面である滑車が、脛骨や腓骨の関節面と衝突、関節軟骨の骨折や変形を生ずる原因となるのです。転落で着地するときに、足首を捻ると、その衝撃で距骨が脛骨と腓骨の間に潜り込み、脛骨と腓骨間が拡がり、この2つの骨を締結している前脛腓靭帯が損傷するのです。   (2)症状

 症状は、足首前方の痛みと腫れですが、引き延ばされた、もしくは部分断裂では、大きな腫れや、強い痛みはありません。しかし、前脛腓靭帯と前距腓靱帯の2つが断裂したときは、激痛で、歩けなくなります。   (3)治療

 前脛腓靱帯は、他の靭帯よりやや上にあり、触診でこの部分に圧痛があれば、この靭帯の損傷が疑われ、治療は、引き延ばされたものや部分断裂であれば、包帯やテーピングなどでしっかりと固定し、靭帯がくっつくのを待つことになります。

 重症の断裂では、腫脹をとるためにスポンジ圧迫のテーピングを5日前後行い、以後は、原則としてギプス包帯固定が行われています。固定をしっかり行わないと靭帯が緩んだまま癒着し、関節が不安定になります。このグレードであれば、4週間前後で痛みはなくなり、6週目からは運動を再開することができます。

 しかし、前距腓靱帯と前脛腓靱帯が断裂しているときは、難治性であり、アンカーボルトで固定する手術が選択されます。足首の底・背屈運動では、脛腓靭帯結合部は、1.5mm離開し、前脛腓靱帯にストレスがかかります。ギプス包帯で固定しても、くっつくのに相当の時間がかかり、早期運動療法には馴染まないのです。そこで、靱帯再建術が選択され、時間をかけて注意深くリハビリが行われています。   (4)後遺障害のポイント

 歩行中や自転車、バイクの運転中の交通事故で、右足首を捻挫しました。治療先では、どんな姿勢で捻挫したのか、受傷機転が確認されます。その後、痛みのある部位を触診して、どの靱帯が、どの程度損傷しているのか、腫れも参考にしながら、丁寧にチェックされます。最後に、XP撮影で、骨折の有無が検証され、骨折がなければ、なんとなく、ホッとします。    でも、これで診察が終わるのではありません。    次に、靱帯損傷のレベルをエコー検査で確認することになります。部分損傷、断裂では、ギプス固定+早期運動療法が診断され、治療方針が説明されます。

 ギプス包帯で固定し、松葉杖の貸し出しで初診は終了します。完全断裂でも腫れが強いときは、入院となり、MRI検査が指示されます。患部に対しては、RICEの処置がなされます。

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 前距腓靱帯断裂 (ぜんきょひじんたいだんれつ)

内返し捻挫

  (0)まず、足関節の主要靭帯を整理します

 かつての無料相談会では、内返しと、外返し捻挫を混同している被害者が、たくさんいらっしゃいました。内返しとは、土踏まずが上を向き、足の裏が、内側に向く捻挫と覚えてください。ゆっくり試してみると、すぐに分かりますが、足裏は、外には向きにくい構造となっており、大多数は内返しに捻るので、外側靭帯を損傷することが多いのです。もちろん、急激、偶然かつ外来の交通事故では、外返し捻挫も、発生しています。

 足首は、下腿骨の脛骨と腓骨で形成されるソケットに、距骨がはまり込む構造となっています。前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靱帯(しょうひじんたい)、後距腓靱帯(こうきょひじんたい)の3つをまとめて外側靱帯と呼んでおり、外くるぶしの下側に付着しています。

 前距腓靭帯は、距骨が前に滑ることを、踵腓靭帯は、距骨が内側に傾斜することを防止しています。足首の捻挫で、損傷頻度が高いのは、前距腓靱帯です。その次は、踵腓靱帯ですが、後距腓靱帯損傷は、滅多に発生しません。

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 足関節不安定症(そくかんせつふあんていしょう)

(1)病態

 いわゆる捻挫癖で、なんども捻挫を繰り返し、痛みが持続する障害を足関節不安定症といいます。

 内返し捻挫で損傷した、外踝下にある外側靭帯、前距腓靭帯と踵腓靭帯が、十分修復されていないことを原因として、足関節不安定症が出現するのですが、さらに放置しておくと、足関節の軟骨も損傷し、変形性足関節症に増悪、日常歩行に、深刻なダメージを与えます。    (2)症状

 足関節の鈍痛、歩行や階段の昇降で、足首がぐらつく、頻繁に足首を捻挫する等。   (3)治療

 足首を強固に締結する主要な靱帯は、前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯、脛腓靱帯の4つです。

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アキレス腱滑液包炎(あきれすけんかつえきほうえん)

オレンジ色 正常な滑液包

オレンジ色 腫れた滑液包   (1)病態   ① 滑液包は、アキレス腱とかかとの骨の間に1つのみ存在しているもので、この滑液包が炎症を起こすと腫れて痛み、アキレス腱前滑液包炎を発症します。   ② アキレス腱に対する強い圧迫が続くと、アキレス腱と皮膚の間に防護的に滑液包が形成されることがあり、この滑液包も炎症すると腫れて痛み、アキレス腱後滑液包炎を発症します。アキレス腱と皮膚、踵骨の間には、液体で満たされた袋状の、滑液包があり、クッション材として摩擦防止の役目を果たしていますが、この滑液包が炎症を起こすことがあります。    この症例は、若い女性に多く、ハイヒールなど、かかとの後ろを支える部分が硬い靴で歩いていると、かかと後方の軟部組織が繰り返し圧迫され、アキレス腱に過度の負荷がかかることにより炎症するものと考えられています。

 交通事故では、かかと部に対する直接的な打撲で発症しています。外傷では、直後から症状が出現するのですが、外傷でないときは、症状は徐々に進行していきます。   (2)症状

 腫れで赤くなり、熱感、かかと後方の痛み、炎症している滑液包が大きくなると、かかとの皮下に赤いしこりが出現、痛みが生じます。炎症が慢性化したときは、腫れは硬く、大きくなり、赤色は薄れてきます。   (3)治療

 症状の確認と触診がなされ、XP検査を行って診断されています。踵骨骨折の可能性を除外する必要から、XP検査が行われているのです。治療は、かかとの後方にかかる圧迫をなくす必要から、靴の底にヒールパッドを入れます。

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  (1)病態

 アキレス腱断裂とは、アキレス腱=踵骨腱が断裂することです。アキレス腱は、体の中でもっとも大きな腱で、ヒトが立ち上がる、歩くときに使用しています。

 交通事故では、歩行中、突然、車が突っ込んできて、それを避けようとした際に、ヒラメ筋が急激に収縮すること、車の衝突を受けた際の、直接の外力によって、アキレス腱を断裂することがあります。

 スポーツ・武道では、球技全般に起きますが、何と言っても剣道が多いようです。秋葉の学生時代、3例みています。   (2)症状

 アキレス腱の部位の激痛、歩けない、足をつくと、たちまち転倒する、つま先立ちができない、階段の上り下りができない、などです。足関節がぶらぶら状態の完全断裂では、縫合が急がれます。   (3)診断と治療

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(1)病態

 前回㊳で果部骨折を解説しましたが、コットン骨折は、内果と外果の両果骨折に、脛骨の後部、後果骨折を合併したものを三果骨折、コットン骨折といいます。

 コットン骨折の多くは、距骨が前方もしくは後方に脱臼するので、足関節の脱臼骨折を伴います。交通事故では、軽貨物車を運転中、2トンとラックとの衝突で、自車がスピンし、電柱に激突した、バイクを運転中に、軽トラックの追突を受け、堤防から転落した、そして、意外に多かったのは、トラックからの荷物の積みおらし作業で、荷物を足下に落とした例です。   (2)症状

 激烈な痛み、腫れ、骨折部の内反もしくは外反変形、皮下出血などで立ち上がることができません。   (3)診断と治療

 診断は、足関節の腫れ、圧痛、変形、皮下出血をチェック、骨折は、XPで確定します。後果の骨折は、正面からのXPでは発見されないこともり、CT、特に3DCTやMRI撮影が有用です。

 従来は、麻酔科で徒手整復後、ギプスをタイトに巻いて8~10週間の固定が実施されていましたが、現在は、スクリュー(海綿骨ねじ)で内・外果骨折部と脛腓間を固定、後果部もスクリューで内固定し、術後は6~8週のギプス固定、4週よりはPTB歩行ギプスになります。

 整復不能例では、スクリュー、鋼線による引き寄せ締結法、プレート固定が行われています。三果骨折、コットン骨折後の足関節の可動域の予後は不良です。後果部の骨折が3分の1以上のものは、この治療を行っても、予後は不良とされています。レアケースですが、難治性疼痛症候群やCRPSを惹起しやすい部位でもあります。   (4)後遺障害のポイント

Ⅰ.

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足関節果部骨折(そくかんせつかぶこっせつ)

    (1)病態

 足関節果部骨折とは、足首のくるぶしの骨折のことです。足関節は、足関節の上にある脛骨と腓骨の遠位端部をソケットに見立てれば、これに、はまり込んでいる距骨、脛骨、腓骨と靭帯でつながっている踵骨の4つの骨で構成されています。交通事故では、バイク対自動車の衝突で、バイクの運転者が跳ね飛ばされたときなど、足関節に強い外力が働くと、足関節周囲の靱帯損傷や脱臼、骨折が生じます。下腿の骨折で最も頻度の高い骨折です。

 果部とは、俗に梅干しと呼ばれる出っぱりの部分で、自分で触れて、確認することができます。果部骨折は、内側の脛骨の出っぱりを骨折した内果骨折、外側の腓骨の出っぱりを骨折した外顆骨折、内果と外果の両方を骨折した両果骨折の3つがあります。さらに、脛骨の内果と後果が折れた上に、腓骨の外果を骨折した三果骨折があります。

 両果と三果の場合、関節のソケットは破壊され、多くは足関節の脱臼を伴います。さらに、少なからず周辺の靭帯も損傷します。後遺症なく回復することは極めて少ないと言えます。両果、外果、内果は、(4)後遺障害にそれぞれの認定例を挿入しています。また、三果骨折は(コットン骨折)は次回に集中解説します。    続きを読む »

(4)後遺障害のポイント

 交通事故外傷では、癒合で完治と断定することはできません。成長の著しい幼児~10代は、爆発的に骨組織が伸長するので、容易に癒合します。しかし、その後、骨折しなかった方の足と比べ、転位や骨成長の左右差、軟骨の不具合による関節裂隙の左右差などが残存することがあります。これが、骨短縮、可動域制限、疼痛などにつながれば後遺障害の対象となります。    解説 👉 骨端線損傷と成長線骨折   Ⅰ.

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腓骨遠位端損傷・骨端線損傷(ひこつえんいたんそんしょう・こったんせんそんしょう)  

  (1)病態

 成長期の子ども、(女子では15歳、男子では17歳頃まで)に特有な骨折です。足関節の脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長していきます。骨端線損傷は、骨の骨端線部分およびその周囲に起こる骨折のことです。

 ここでは、腓骨の遠位端・骨端線損傷を中心に解説します。

 成長期では、どんどん骨組織が発達します。下腿骨の脛骨と腓骨が、どんどん伸びていくのです。この時期に、足の捻挫などにより骨端線、成長軟骨部分を損傷することがあります。足関節を構成する脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心として、成長と共に成人の骨へと変化していくのですが、骨端部分が成人に近い状態にまで完成されても、脛骨と腓骨の成長が終了するまでは、骨幹と骨端の間に骨端線が残っています。

 骨端線部分は完成された骨よりも当然に、強度が弱く、外力による影響を受けやすい部分であることから、強い外力の働いた捻挫や衝撃で骨端線損傷を起こしやすいのです。損傷の程度が軽いものでは、XP検査でも分かりにくく、捻挫と診断されるようなものから、骨端線からきれいにスライスしたように骨折している重傷例まで、いくつかの種類に分かれます。   ◆ 骨端線損傷のパターン

① 脛骨の骨端線を横断するように骨端線が離開したもの続きを読む »

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