第5中足骨々幹端部骨折 = ジョーンズ骨折(Jones骨折)

(1)病態

 ジョーンズ骨折は、つま先立ちの姿勢で足を捻挫したときに、第5中足骨の基部に発症する骨折です。この骨折は、サッカー、ラグビー、バスケットボールなど、走っている最中に方向転換をする際、前足部でブレーキをかけて捻る動作を繰り返すうちに、第5中足骨の後方端と骨幹部の境界辺りに物理的ストレスが蓄積し、徐々に疲労性の骨折を生じると考えられています。長時間の歩行の結果、折れたとする行軍骨折、疲労骨折などの好発部位でもあります。

 剣道部時代、同期の仲間が連日の稽古から「なんか足が痛い・・」と、それでレントゲン撮ったら折れていたことがありました。交通事故でもわりと多くを経験しています。足の甲をタイヤにひかれたケースなどです。   (2)症状

 下駄骨折よりは弱い痛みで、腫れることは少ないのです。直後は歩くこともできますが、痛みは徐々に強くなってきます。   (3)治療

 ジョーンズ骨折は、骨折部の癒合が悪く、偽関節に陥りやすい骨折であり、やや難治性です。骨癒合が不良のときは、低周波や超音波による骨癒合促進刺激を実施し経過観察となりますが、現在では、積極的に、小さなスクリューで固定されています。そして、このスクリューは、再骨折を防ぐ目的で留置され、抜釘されません。

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     (1)病態

 下駄が庶民の履物であった時代に、多発した骨折であることから、下駄骨折の名前がついています。もちろん、現在でも、足が捻転したときに、この骨折が発生しており、第5中足骨基部骨折とは、小趾側の甲にある中足骨の根元が骨折したものです。   (2)症状

 受傷直後から足部の強い痛みと腫れ、皮下手血が出現し、足の小指側に痛みがあり、足を着いて歩けない状態になります。   (3)治療

 XPで確定診断され、徒手整復できるものでは、3~4週のギプスシーネ固定を行います。徒手では整復困難な転位があるときは、ワイヤーで締結もしくは小さなスクリューで固定されます。   (4)後遺障害のポイント

 ジョーンズ骨折でまとめて解説しています。    次回 ⇒ ジョーンズ骨折  

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 交通事故では、足の甲を自動車のタイヤに踏みつけられた、自転車で交差点を横断中に自動車の巻き込みで足が自動車と自転車に挟まれた、変わった例ではフォークリフト、積み荷のリフトが足の甲に落ちたなどの受傷を経験しています。

 中足骨とは、足の指につながる足の甲、5本の骨です。5本ある中足骨の小指側の一本が最も折れやすく、長距離の歩行により折れることがあるので、行軍骨折との呼称もあります。疲労が重なり、いつの間にか折れていた・・疲労骨折の好発部位でもあります。

(1)病態

 細い骨なので、折れやすく、癒合し易いとも言えます。ただし、足には体重がかかるので、当然に痛みから歩行に支障はあります。後遺障害の対象となるのは、複数の中足骨に、転位のある骨折をしたとき、粉砕骨折や挫滅骨折したときに限られ、単独骨折で、早期に固定術を受けたものは、後遺障害を残すことは少なく、14級の認定を取るにも工夫が要ります。    (2)症状

 受傷直後から足部の強い痛みと腫れと皮下手血、足に体重をかけて立つと激痛でしょうか。   (3)治療

 亀裂骨折(ひび)程度ですと、レントゲンで骨折様態を確認後、消炎鎮痛処置で帰されます。亀裂骨折の多くは、3~4週のギプスシーネ固定(わずかな亀裂なら、テーピングも用います)を経て、保存療法のようです。折れ方により転位(骨がズレてくっつく)の危険性があれば、ようやく手術で固定します。固定と言っても、細い骨なのでプレートより、小型のスクリュー(ネジ)やワイヤー(針金のようなもの)固定が多くなります。

 深刻な例は、足首側のリスフラン関節、足指側のMTP関節の脱臼を伴うケースです。足裏のアーチ構造が崩れるので、体重をかけて立つことができなくなります。そのようなケースでは手術での整復は必須となります。折れ方により、軽重症の差が広い部位と言えます。

 すべての骨折に言えますが、癒合までは患部を動かさないようにします。ただし、固定が過度に長期間になると、関節拘縮を起こします。したがって、癒合の進行に問題がなく、転位が無ければ、固定の解除を急ぎたいところです。     (4)後遺障害のポイント

 普通に癒合が進めば、深刻な障害を残すことはありません。自賠責保険は、他の骨折に同じく、折れ方と癒合状態に注目しています。破裂骨折、挫滅骨折の類は元通りの整復が難しく、手術でどこまで整復させるかにかかります。やっかいなのは、リスフラン靭帯断裂を伴う剥離骨折(はくりこっせつ)です。靭帯が付着している部分が「べりっ」とはがれ、靭帯がゴムのように骨片を引っ張るので、くっつきが悪いのです。その場合、スクリューを打ち付けて骨折部を固定します。   ○ 変形や転位を残せば、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」が対象となります。もっとも、部位的に変形や転位を残さないように治療します。歩くと痛いので。   ○ 手術で整復した場合や、保存療法でも癒合に問題がない場合、痛みや不具合の一貫性から、14級9号の余地を残します。   ○ MTP関節の脱臼を伴う場合は、足指の可動域制限に注目します。指の可動域を丁寧に計測して、足趾の機能障害を審査に付します。    軽い障害から重い障害まで、以下、数々の認定例を見て頂いた方が早いと思います。理屈より実例です。    微妙な骨折だが認定の例 👉 14級9号:中足骨不全骨折?(20代女性・千葉県)      ボルト3本で固定した例 👉 14級9号:第1中足骨骨折(50代男性・神奈川県)    珍しい第5以外すべて骨折の例 👉 14級9号:第1~4中足骨骨折(40代女性・神奈川県)      足指の機能障害にフォーカスした申請&認定 👉 続きを読む »

  (1)病態

 扁平足とは、足の裏が平たく、扁平化し、土踏まずが、ほとんど見られない足のことをいいます。上のイラストにあるグリーンのカーブが平坦になった状況です。

 交通事故などで、踵骨の骨折により距踵関節面が陥没すると、それに伴って舟状骨も落下することで、アーチの後部が低下し扁平足になります。   (2)症状

 距骨と踵骨の関節面は整合性を崩し、後脛骨静脈圧迫による血行障害、腓骨筋腱鞘炎などを合併して、慢性の疼痛とむくみに悩まされます。アーチの低下により、足の靱帯や関節などに、直接的な衝撃が加わり、蹴り出す力を生み出すことが困難になります。

 中足骨の脱臼・骨折でも扁平化を生じ、このときは血行障害が著しく、大きなむくみとなります。比較的に強い足関節捻挫であると診断され、放置されると、徐々にアーチが低下し⇒下肢の支持性が低下し、蹴り出しが不十分となり、⇒足裏の筋、下腿三頭筋のポンプ作用が低下し、⇒血流量が低下、⇒足はむくみ、⇒足裏の筋、下腿三頭筋の筋力が低下、⇒さらに、アーチが低下する悪循環に陥ります。   (3)治療

 保存的治療が中心で、①足指じゃんけんの運動療法、②血流を促進させる温熱療法、③靴底にアーチパッドを装着し、土踏まずに当てることで、一定程度の改善が得られます。

 改善が得られないときは、後脛骨筋の移行術や骨切り術、最悪では、関節固定術などで足のアーチを作成することになります。   (4)後遺障害のポイント

 関節固定術が行われたときは、足関節の用廃で8級7号が認定されます。それ以外では、それぞれの症状に合わせて立証していくことになりますが、現在、外傷性扁平足は未経験です。    次回 ⇒ 中足骨骨折シリーズ  

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二分靱帯損傷(にぶんじんたいそんしょう)

(1)病態

 足関節捻挫は、腓骨と脛骨そして距骨が接する青○印部分で発生しています。ところが、足関節捻挫でも、直近の別の部位を捻挫することがあるのです。

 中でも、イラストのオレンジ色で示したY字型の二分靱帯が損傷することが多いのです。二分靭帯は、かかとを構成する踵骨(しょうこつ)、立方骨と舟状骨を固く締結する役目です。爪先立ちのような姿勢で、内返し捻挫となったとき、二分靱帯は損傷や断裂することがあります。バレーボールでジャンプ、着地で内返し捻挫となると、ほぼ確実に二分靱帯は損傷を受けるのです。   (2)症状

 踵骨前方と舟状骨との間に圧痛や腫れ、皮下出血、荷重歩行時の疼痛などが発現します。足関節の内反や底屈動作を行うと疼痛が誘発・増強されます。   (3)治療

 たかが捻挫と思っていても、二分靭帯が付着部分の骨、踵骨、立方骨、舟状骨で立方骨ごと剥がれることもあり、専門医であれば、○○骨剥離骨折もしくは裂離骨折と診断します。診断は、XP検査が中心ですが、小さな剥離骨折では、CTが効果的です。二分靱帯損傷で、損傷部が腫れ上がっているときは、足関節の捻挫と見分けがつきません。しかし、専門医が丁寧に触診すれば、足関節と二分靱帯は部位が違うので鑑別ができるのです。

 治療としては、最初はギプス固定、次に包帯固定に切り替えて2~3週間もすれば、腫脹や痛みは緩和され、後遺障害を残すことなく治癒します。剥離骨折の治療は約4~6週のギプス固定となりますが、骨片が大きければ固定術が選択されます。しかし、ここでのテーマは、足関節捻挫と診断され、パップ剤のみで放置されていることです。MRIで二分靱帯の損傷や断裂が確認されたときは、歩行時の疼痛が後遺障害の対象になります。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 立方骨圧迫骨折(りっぽうこつあっぱくこっせつ) = くるみ割り骨折

(1)病態

 立方骨は、足の甲の真ん中から、やや外側に位置しており、前は小指と薬指の根元の中足骨、後は、かかとの骨=踵骨と連結して関節を形成しています。強い外返し捻挫により、立方骨は、踵骨と第4、5中足骨でクルミのように挟まれ、踵骨・立方骨関節面の軟骨下骨が潰されて骨折するのです。立方骨は足のアーチの要となる骨で、体重が乗ったときに、他の骨とともに衝撃を吸収する役割を果たしています。立方骨にゆがみが生じると足全体の構造が崩れ、扁平足をきたします。

 交通事故110番の相談例では、自転車やバイクVS自動車の出合い頭衝突で、複数例を経験しています。最近では、駅構内の階段を1段踏み外し、左足を外側に捻挫、くるみ割り骨折となった被害者から相談を受けました。捻挫の瞬間、ボキボキって音が足から聞こえてきたそうで、手摺にしがみついて、なんとか転倒は免れたのですが、直後は、激痛で、一歩も歩き出すことができなかったとのことです。人身傷害保険の対応ですが、骨折部の疼痛で12級13号が認められました。   (2)症状

 足を外側に捻って、強く捻挫したときに、足の外側部が腫れ、強く痛み、歩くことができません。捻挫と診断され、放置されることが多く、痛みが長期間、継続します。   (3)治療

 XPでは、踵・立方骨関節面に沿って骨折線が認められます。初期のXPで発見できないときでも、骨萎縮が始まる3週間前後のXPで確認することができます。治療は、麻酔下で徒手整復後、ギプス固定、その後、硬性アーチサポートで外側縦アーチが保持されていれば、平均的には3カ月前後で骨癒合が得られ、骨折部に疼痛を残すことも扁平足に発展することもありません。    2013年9月、西武の 炭谷銀仁朗捕手は、本塁上で走者と交錯した際に左足の外側を痛め、左足立方骨亀裂骨折と診断されました。しかし、彼は1流のアスリートであり、優勝のかかった終盤戦で離脱することは困難な事情もあり、その後も捕手として休むことなく活躍しました。サッカー選手やマラソンランナーでも、立方骨の疲労骨折が複数例報告されています。疲労骨折であれば、交通事故外傷として後遺障害の対象にはなりません。主として外返し捻挫を解説してきましたが、内返し捻挫の受傷機転では、二分靭帯による立方骨剥離骨折を発症することがあります。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)

(1)病態

 外脛骨とは、足の内側にある過剰骨もしくは、種子骨の1つで、健常人の15~20%位に認められていますが、 骨の出っ張りが見られるだけで、痛みの症状がなければ、なんの問題もありません。

 なお、過剰骨とは、普通にはない、余分な骨と定義されています。上のイラストは、足の内側部で、内側の骨の端に外脛骨があります。舟状骨粗面という足の内側に、出っ張った部分があるのですが、その部分に後脛骨筋という筋肉がついており、この筋肉は、足の土踏まずを維持する上で重要な役割を果たしています。この筋肉が緊張することで、足のアーチが保たれているのです。

 有痛性外脛骨による疼痛は、捻挫や繰り返される後脛骨筋の引っ張り作用で、外脛骨部分が舟状骨の部分から剥がれ、その部分で炎症を起こしたことにより発症しています。   (2)症状

 繰り返す痛みと腫れで、女性に、とりわけ思春期の女性に、発症例が多いことが特徴です。   (3)治療

 局所の安静下で、鎮痛剤、温熱療法などの保存療法で疼痛の改善を目指します。症状が長期化するとき、繰り返し疼痛が出現するようなときは、ギプス固定や足底板=アーチサポートを装着させるリハビリ治療が行われます。

 大多数は保存療法で改善が得られていますが、4カ月以上の保存療法を行っても、症状の改善が得られない、また、なんども再発を繰り返し、日常生活に支障があるときは、手術が選択されています。手術は、外脛骨を摘出、舟状骨突出部も一部骨切りを行い、最後に支持組織である後𦙾骨筋腱と底側踵舟靱帯の再縫着を実施します。   (4)後遺障害のポイント

 常識的には、過度な運動や、足にフィットしない靴を履き続けることによって、外脛骨を有する人、主に女性に発症するもので、交通事故外傷で有痛性外脛骨は聞きません。また、手術により、運動痛は消失するので、後遺障害を残すことはありません。    次回 ⇒ 立方骨圧迫骨折  

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 舟状骨裂離骨折(しゅうじょうこつれつりこっせつ)

  (1)病態

 足の舟状骨は、足の内側にあって、土踏まずの頂点に位置し、体重を支え、足の踏み出しでは重要な役目を担っています。

緑のカーブは、足の縦のアーチであり、その頂点には舟状骨があり、アーチを支えています。 続きを読む »

 舟状骨々折(しゅうじょうこつこっせつ)

(1)病態

 交通事故では、バイクの転倒時に、足関節の捻挫に伴い、舟状骨々折を合併することがあります。舟状骨々折では、30%程度に骨癒合が不良で偽関節化することがあります。   (2)症状

 痛みと腫れ、皮下出血、足関節内側部に変形が見られることもあります。   (3)治療

 骨癒合はCTで検証しますが、3週間のギプス固定でも骨癒合が得られず、偽関節化しているときは、小さなスクリューで、内固定術が選択されています。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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楔状骨々折(けつじょうこつこっせつ)

(1)病態

 ネットでは、ほとんどが疲労骨折として質問されていますが、交通事故110番の相談例として、

 ① 自転車で走行中、軽四輪車の追突を受け、前方に飛ばされ、着地の際、右足関節を強く捻転し、足関節内果骨折に第1楔状骨々折を合併した経験則があります。

 ② トラックから荷物の積み降ろし中、荷物の足への落下で、第1楔状骨の単独骨折を経験しています。受傷時に、前足部を強制的に底屈された状態で第1楔状骨の直上に直達外力が加わると、同部に応力が集中し、単独骨折も予想されるのです。   (2)症状

 痛みと腫れ、皮下出血も見られ、直後は歩行困難です。   (3)治療

 XP、CTで確定診断できます。整復位を保持できないものは、小さなスクリューで内固定し、周囲の靱帯を縫合します。術後6週で、スクリューは抜釘し、アーチサポートを装着してリハビリが行われます。平均的には、術後10週でリハビリは終了します。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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  (1)病態

 リスフラン関節部分を詳しく見ると、靱帯が、それぞれの骨をシッカリと締結しています。オレンジ色の靭帯が、リスフラン靭帯です。

 水色で囲んだ靭帯は、隣り合う骨どうしを互いに締結していますが、リスフラン靭帯だけは斜めに走行し、斜め下の第2中足骨と楔状骨を連結しています。

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(1)病態

 リスフラン関節は、足の甲の中央付近にある関節で、具体的には、第1、2、3楔状骨と立方骨と中足骨近位部で、この関節は構成されています。

 リスフラン関節脱臼骨折は、リスフラン関節に強い力が加わることで生じます。交通事故では、歩行者がタイヤに踏みつけられること、自転車・バイクを運転中の衝突で、転倒時に、足が石などを強く踏み抜いたときに発症しています。

 歩行者では、ハイヒールで歩行中の女性が自動車との接触で中足骨に強い力が加わり、その影響で、リスフラン関節が脱臼・骨折したことも経験しています。    (2)症状

 激痛と腫れ、足部の変形で、歩行不能となります。   (3)治療

 XPでは、前後、側面、斜位の方向から撮影されていますが、脱臼を見逃すことがあり、追加的に、CT、MRI検査が行われ、確定診断がなされています。

 多くで、第2中足骨の基部の脱臼・骨折ですが、転位が小さく、整復できれば、6週間のギプス固定、中足骨の多発脱臼・骨折で、転位が大きいときは内固定術、中足部の固定術が行われます。

 術後はギブスシーネ固定がなされ、8週でギプスはカット、リハビリが開始されます。予後の経過は良好で、リスフラン関節単独では、機能障害としての後遺障害を残すことはありません。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 ショパール関節脱臼骨折

  (1)病態

 ショパール関節とは、上記の関節で、横足根関節とも呼ばれています。

 交通事故110番では、①歩行中にトラックが接近し、足を踏まれた、②バイクで直進中、交差点で他車と出合い頭衝突してスピンした相手自動車の衝突を受け、道路脇のブロック塀に激突、左足を挟まれた、③工場内で積み降ろし中に、重量物が左足に落下した、④軽トラックを運転中、11トントラックとの衝突で、運転席部分が大きくクラッシュし、右足を挟まれた状況でショパール関節の脱臼骨折を経験しています。足を強く挟まれ、内側に捻挫したとき、つま先が足の裏を向く、内返しの力が加えられたときに、ショパール関節は脱臼骨折するのです。   (2)症状

 足の甲の激痛、腫れ、皮下出血、脱臼骨折では、変形が確認でき、歩くことができません。    (3)治療

 XP、CT、MRI検査で確定診断が行われています。ショパール関節の脱臼骨折では、立方骨、舟状骨、距骨、踵骨が影響を受けます。治療は、まず、徒手整復が試みられ、整復不能なときは、内固定による整復が行われています。

 後療法は6~8週のギプス固定後に、アーチサポートを装着し、歩行リハビリが開始されます。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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足根洞症候群(そっこんどうしょうこうぐん)

(1)病態

 足根洞は、外果(外くるぶし)の前方にあって、踵骨と距骨の窪みのことです。足根洞の中は、洞窟構造になっており、骨間距踵靱帯と血管が走行しています。また、骨間距踵靱帯の中には、固有知覚を司る神経自由終末が存在していて、歩くときには、安定性を保つ役割を果たしています。

 足首の捻挫は、大半が外くるぶしの靱帯損傷で、多くは手術なしで完治しています。ところが、痛みが続くこともあり、その1つが、足根洞症候群です。   (2)症状

 でこぼこ道の歩行、足関節の内返しや底屈で痛みが増強するとの訴えがなされます。また、足の後ろの方に不安定感や下腿の外側に、だるさや痺れを訴えることもあります。   (3)治療

 受傷機転は、重度の足関節捻挫によって、足根洞内の靭帯が部分断裂し、足根洞内で出血、その血が凝固し、変性することで、踵骨と距骨の間の滑らかな動きを妨げ、骨膜炎や浮腫を生じて、痛みが出ると考えられています。XP、CT、MRI撮影で検証しますが、確定診断には、MRIが有用です。

 治療は、保存療法で、足関節の内返しを制限するテーピングや足底挿板などで足根洞部分へかかる負荷を軽減します。痛みに対しては、局所麻酔剤とステロイドを混ぜて、注射すると効果が現れます。症状が安定すると、足関節の可動域の改善や筋力トレーニング、バランス訓練といったリハビリが行われます。これらの保存療法で改善が得られないときは、足根洞の瘢痕組織の郭清術を行いし、2、3週間のギプス固定を行います。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 モートン病、MORTON病

  (1)病態

 人間は2本足で直立歩行する唯一の哺乳動物です。4本足で歩行する哺乳動物は、かかとの部分を浮かせて足の先だけで歩きますが、人間は足の裏全体を地面につけて歩いています。人間の体重は、股関節や膝関節でも支えてくれますが、なんといっても全体重を支えているのは地面に接している足なのです。全体重を支える必要から、足には衝撃を吸収するシステムが組み込まれています。

 三角の部分の3つのアーチがそれに該当します。アーチを弓に例えると、弦に相当するのが筋肉と靭帯です。足に体重がかかったときには、この弓と弦が伸びたり縮んだりして衝撃を吸収しているのです。

 さらに、足は第2の心臓とも呼ばれています。心臓はポンプの働きで全身に血液を巡らせていますが、足にたまった血液はふくらはぎや足の裏の筋肉の収縮によって心臓に送り返されているのです。

 足のむくみについては、コンパートメント症候群で解説していますが、人間は立ったままでも足の裏に刺激を受けていれば、足のポンプがうまく機能して血行を促進させるのです。近年、足の裏のつぼをマッサージすることが流行していますが、血行をよくすることによって自律神経やホルモンの働きを活性化させているのです。   (2)症状

 交通事故110番では、交通事故によるものは1例だけ経験があります。自動二輪を時速70kmで運転中に2トントラックの側面に激突し、右下腿骨の開放性粉砕骨折と右足関節果部の挫滅骨折等で、奇跡的に切断を逃れた被害者でした。

 受傷後1年7カ月目に症状固定、偽関節と足関節の運動障害で併合7級の後遺障害を獲得したのですが、右足指の3・4番目に疼痛を訴え、モートン病と診断されました。

 これは、先に説明した足根管症候群と同じ、絞扼性神経障害です。後𦙾骨神経から枝分かれした内側足底神経の外側に分岐した趾間神経が圧迫されたことによって発症します。調べてみると、ハイヒールを履く中年の女性に多い疾患です。2・3趾または3・4趾の痺れ感と灼熱感と疼痛を訴えることが多いのです。

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 足根骨 足底腱膜炎(そくていけんまくえん)   (1)病態

 足底腱膜炎は、先の足底腱膜断裂の前段階、足底筋の一部の断裂や炎症です。

 足底筋はアーチ状の構造を持つ足の骨に対して、弓の弦のように張られていて、ジャンプや走ることで、足が受ける衝撃を吸収する役目を担っています。足底筋膜炎は主に、踵の骨の周辺に発生し、痛みを引き起こします。   (2)症状

 足底腱膜炎の主な症状は、かかと周辺の痛みです。この痛みは、踵を地面に付けたときに、増強します。   (3)治療

 足底筋膜炎の治癒は、個人差、年齢差がありますが、早ければ3カ月、長くて2、3年です。

 非ステロイド性抗炎症剤、NSAIDsやステロイド剤の投与で炎症の悪化を抑え、マッサージ、ストレッチ運動などで痛みを緩和させるリハビリが続けられ、日常歩行には、アーチサポートやヒールカップといった、足の構造を支援する装具を装着することもあります。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 足底腱膜断裂(そくていけんまくだんれつ)   (1)病態

 ラグビー、サッカーなどのコンタクトスポーツで、足を強く蹴り出してダッシュしたときに発症しています。交通事故でも、バイクや自転車と自動車の出合い頭衝突で、足の裏に強い衝撃がかかったとき、道路から田畑や崖下に転落、着地の際に、大きな負荷がかかり、足底筋膜が断裂することがあります。

 ほとんどは、踵骨に近い位置の足底腱膜が断裂しています。また、足底筋膜断裂では、断裂した筋膜組織から出血し、内出血を起こし、内出血は、足裏の土踏まずの部分に拡がります。   (2)症状

 受傷直後は、激痛で歩くことができず、みるみるうちに、足裏の内出血が拡がり、腫れが増大、土踏まず部分が、広く平に見えるので、診断は容易です。足首の捻挫と見過ごされることは、ありません。   (3)診断と治療

 エコー検査やMRIの撮影で、足底腱膜断裂を確認することができ、診断は確定します。治療は、断裂部位の縫合術がなされ、その後、1カ月程度のギプス固定がなされます。ギプスカット後は、足底板を装用し、リハビリが始まります。   (4)後遺障害のポイント

 平均的には、受傷から2カ月で就労復帰でき、後遺障害を残すことはありません。    次回 ⇒ 足底腱膜炎  

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 足根管症候群(そっこんかんしょうこうぐん)

  (1)病態

 上肢の外傷に、よく似た傷病名で手根管症候群があります。これは、上肢を走行する正中神経が、手根管のトンネル部で圧迫、締め付けられたことにより、麻痺したもので、交通事故では、橈骨の遠位端骨折や月状骨の脱臼に合併して発症しています。

 足根管症候群も、手根管症候群と同じく、絞扼性(こうやくせい)神経障害で、後脛骨神経が麻痺する症状です。脛骨神経は、下腿から足の方へ向って走行、足の内くるぶしの付近で枝分かれをして、足の裏の感覚を支配しています。内くるぶし付近では、足根管というトンネルが存在して、後脛骨神経がその中を通り、交通事故では、脛骨内果・距骨・踵骨の骨折、脱臼に合併して発症しています。   (2)症状

 症状は、足指や足底部の痺れ感や疼痛を訴えるのですが、痛みの領域が足首以下に限定され、かかとや足関節、足裏に痛みが生じていること、足の親指の底屈不能、痛くて眠れないほど、夜間に痛みが増強するが、足の甲には痛みやしびれが出現しないのが典型的な症状です。   (3)診断と治療

 足根管部に圧痛や放散痛が認められ、皮膚の表面から軽く叩いただけで、極めて激しい痛みが放散するチネルサインも陽性となります。神経の障害ですから、後脛骨神経が支配している筋肉の筋電図をとると異常が認められます。

 治療としては、保存的に、ステロイド剤の局注、鎮痛消炎剤の内服、足底板の装用、安静で改善を見ることもありますが、効果が得られなければ、屈筋支帯を切離し、神経剥離術を実施します。神経剥離術は、整形外科・スポーツ外来、専門医の領域です。予後は良好であり、絞扼性神経障害では、後遺障害を残すことは稀な状況です。    (4)後遺障害のポイント

 交通事故では、脛骨内果・距骨・踵骨の骨折や脱臼に合併して、このトンネルが圧迫を受け、足根管症候群を発症しています。したがって、後遺障害は、脛骨、距骨、踵骨の骨折後の変形、疼痛、可動域制限となります。

 しかし、足根管症候群は、積極的な治療で、完治を目指します。軽度な足関節捻挫でも、足根管症候群を発症することがあります。ほとんどは、保存的な治療で完治しています。弊所の経験則でも、骨折後に足根管症候群の兆候を示す方も、ほとんどリハビリの過程で軽快したようでした。     次回 ⇒ 足底腱膜断裂  

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 踵骨不顕性骨折(しょうこつ ふけんせいこっせつ)  

右足の骨格を外側から見ています

  (1)病態

 かつて、京都で開催した交通事故無料相談会に、「2カ月前、自動車の後部座席から外に出たときに追突を受け、歩道の段差を踏み外した?」 として、かかと部の痛みを訴える65歳の高齢者が参加されました。幸い、先に降りていた妻が支えてくれたので、転倒は免れたそうです。しかし、かかと部がみるみる腫れだし、とても痛くて歩けなかったので、そのまま自動車で、整形外科に直行し、診察を受けたのです。

 整形外科でのXP検査では、骨折は認められず、かかとの打撲と診断されたのですが、2カ月を経過しても、腫れが引くこともなく、今も松葉杖歩行しています。相談は、「本当に打撲なのでしょうか?」「このままの治療で治るのでしょうか?」右足を拝見すると、現在も踵骨部が腫れており、押さえると激痛を訴えます。そこで、チーム110が懇意にしている専門医を紹介、一緒に受診することになりました。

 専門医の見立ては、断定はできないが、右踵骨不顕性骨折ではないか、というものでした。   ※ 不顕性・・・病気の過程が始まっているが、まだ所見が表れていないことを示す医学用語です。 続きを読む »

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