この背景事情を病院事務の方々に聞いたところ、近年の医師の集まりで正式に申し合わせがなされたようです。まじめな医療事務員さんは、まるで法律改正でもあったように、健保治療は交通事故と関係ない、だから、自賠責保険の診断書・レセプトを書かないと徹底しています。    交通事故治療の現場に、被害者さんにとって新たな壁が出現しました。 この件は長くなるので、明日、意見展開します。    病院の協力なしの戦いはキツいです  

非該当⇒14級9号:脛腓骨骨折(50代男性・神奈川県)

  【事案】

バイクにて走行中、側道から右折してきた車に衝突され受傷。脛骨と腓骨を骨折した。

【問題点】

被害者請求を実施するも結果は非該当であった。それ以前に病院との関係で困難を極めた。 続きを読む »

 交通事故被害者さん全般に言えますが、体のあらゆる部位に痛み・不具合を主張します。もちろん、受傷直後は治療の必要性から、余すことなくとなく丁寧に医師に伝えなければなりません。医師も骨折等を見逃さずに注意・観察するでしょう。

 しかし、打撲や捻挫、挫傷の類が何か月も続くことは医学的にありません。例外として、神経症状を発症、数か月~数年続く症状はあります。これは、後遺障害として評価を受け、賠償金につなげていけばよいことです。他方、症状固定時期になってまで、ほとんど改善している部位を、ことさらに主張すべきではありません。「あっちもこっちも痛い、全身痛い」では、訴えの信憑性が下がります。後遺症の診断に際しては、医師には今後長く続くであろう症状を限定して、診断して頂ければ足ります。

 神経症状14級9号の認定は信憑性が命です。たくさん症状を訴ることが、認定に近づくわけではありません。単に”大げさ”と思われてしまいます。私たちはこれを、「広げすぎた扇は倒れる」と表現しています。

主訴を絞り込むことこそ、正確な後遺障害診断につながります   

14級9号:腰椎捻挫(40代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで走行中、信号のない交差点の出合い頭に一時停止無視の車に衝突される。数メートル投げ飛ばされ腰・肋骨・膝と全身を痛め通院していた。

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 昨日の実績投稿の解説に付随して、保険会社が定める治療期間について、意見を加えたいと思います。

 

90日後に打ち切られる被害者

   交通事故で被害者となりました。診断名は頚椎捻挫、いわゆる、むち打ちの類です。相手の保険会社は治療費を病院に直接払ってくれます。これを「一括払い」と呼んでいます。被害者さんは治療費の立替なく、安心して通院できます。そして、2か月を超えた頃、「症状はいかがですか?」⇒「そろそろ、治療は終わりませんか?」⇒「弊社としては3か月をもって治療費の対応を終わりたいと思います」・・このように、3か月の治療費打ち切りを徐々に切り出してきます。

 一方、被害者さんがそれまでに治れば、何ら問題はありません。しかし、中には神経症状がしつこく残り、理学療法を継続したい方もおります。そこで、「ふざけるな!治っていないのに打ち切りとは何事だ!」とケンカになります。治るまで治療費を払わせることは、被害者の当然の権利だと思っているのです。しかし、それは当然の権利ではありません。保険会社にしてみれば、便宜上、一括払いをしているに過ぎません。これは、裁判できっちり白黒ついています。保険会社は独自の判断で、いつ治療費を打ち切ってもなんら罪はないのです。

 もちろん、治療費支払いの継続を巡って争うことはできます。しかし、勝ち負け定かではなく、半年以上かかるかであろう裁判へ・・現実的ではありません(現実にやる被害者さんもおりますが)。その間、決着がつくまで、当然に治療費は自腹です。ここで、被害者さん達は、「100日後に死ぬワニ」ならぬ、「90日後に打ち切られる被害者」となります。

 

打撲捻挫は3か月間! ...

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 保険会社は無制限に治療費を払ってくれるわけではありません。被害者さんのケガの診断名や受傷機転(どのようにケガをしたのか)など、客観的な事実から、相当する治療期間を判断をしています。私は、この保険会社の姿勢を直ちに批判する気はありません。医者でもない保険会社社員こそ、平均値から判断せざるを得ないと思います。しかし、物事は平均的な基準では測れないことが多々あるものです。交通事故での典型例は、何と言っても「むち打ち」です。

 同じような受傷機転(どのように受傷したのか)、医師の下す同じ診断名でも、症状の個人差は絶大にあります。ある人はまったく病院に行くこともなく無症状です。また、仕事が忙しく通院できないと、湿布を貼って治す方もいます。そして、頚部の神経症状が惹起され、上肢~手指のしびれが収まらず、それこそ、半年から数年にわたって症状に悩まされる方も存在するのです。一方、大げさに症状を訴えて、慰謝料増額を期してか長期治療を画策する悪い人も少なくありません。そもそも、傷病そのものに対して、年齢、性別、体質、既往歴など、個人差があって当たり前です。

 このように千差万別の患者さんは、同じ程度の衝撃でも生まれるのですから、個々にその治療期間を断定するなど、端から難しいのです。

 それでも、治療費を払う側の保険会社は、むち打ち患者全員に一定の基準を押し付けてきます。打撲・捻挫の平均的な治療期間はおよそ3か月とみています(この3か月説に関するよもやま話は、明日の記事で追補しようと思います)。この治療費打ち切りの打診に、症状が残っている患者さんは大パニックです。でも、決して慌てる必要はないのです。本例のように、健保に切り替えて粛々と治療を続け、自賠責保険の後遺障害審査に付して、ここで症状を認めてもらい、後遺障害慰謝料と逸失利益(10年以上通えるほどの治療費に匹敵します)を確保すれば良いのです。

 さらに、14級認定となれば、途中から自腹だった治療費も取り戻すことが容易です。弁護士が、「後遺障害が認められたのに治療費を打ち切って・・保険会社(担当者)の判断ミスでしたね」と言えば足りす。まさに、大逆転の解決になります。

 治療費を巡って保険会社とケンカするなど、時間の無駄、愚の骨頂なのです。      治療費など些細な金額です。後の賠償金で取り返せばよいのです  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(50代男性・神奈川県)

【事案】

信号のない交差点で、一時停止無視の自動車と出会い頭衝突、首と腰を痛め通院するも、事故から三か月目に保険会社から治療の打切りをされる。

【問題点】

事故車の損傷度合いから、軽度な事故と判断されてもおかしくはなかった。保険会社から早めに治療の打切りを打診される予想から、早めに弁護士を介入する必要があり、契約を急ぐも、本人の都合が合わずになかなか弁護士介入が出来なかった。

そうこうしている内に、3ヶ月目で治療費一括対応の打切りを宣告され、ご本人から慌てて連絡が入った。

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どーも、金澤です。

 

今日は、先日YouTubeを見ていたら首の牽引は絶対ダメ!悪い!

と言う動画を目にしました。

 

そういえば、自分も整骨院時代に患者さんから、

首の牽引に通った方がいいの?

(当時働いていた整骨院には首牽引装置は無かった)

と聞かれることが結構ありました。

 

正直、近年の整形外科では首の牽引をするところは珍しいです。

昔ながらの整形では首牽引や腰の牽引は積極的に行う傾向です。

 

それも、近年の見解では、首の牽引によって、頚椎が良くなると言う医学的証拠が乏しいようです。

じゃあなんでそんなエビデンスの乏しい治療がいままで行われていたのか気になりますけど(笑)

 

 

首の牽引の理論は、皆さまお判りでしょうか?

主に、頚椎の椎間板ヘルニアに対する治療に使用されるのですが、

椎間板の中にある髄核が飛び出てしまい、その飛び出たゼリー状のものが神経に障る事で神経性疼痛などが起こると言うヘルニア。

 

治るには、その飛び出たゼリー状の髄核が身体に吸収される必要があります。

そしたら神経に触らなくなるので。

 

そして牽引をすることで、椎間(頚椎の骨と骨の間)は伸ばされます。

そうすると、椎間の圧力は下がり、陰圧となります。

つまり、陰圧にすることで、椎間の外に飛び出た髄核を引っ込めよう。とするのが牽引治療なのです。

 

理にかなってはいるのですが、はたして引っ込むのか。と言うところに対して証拠が欠けているようです。

それと、脊椎と言うのは通常、他の関節と連動して動くものですので、

生理的運動 以外の動きを、しかも頚椎だけに与えると言うのは、関節を痛める原因になると発表されています。

 

 

でも、個人的には牽引は気持ちいので、嫌いじゃありません。

家に牽引する機械があります。

首が痛くなったら、たまーに牽引するとスッキリするので、たまに使っています。

 

リスク等を分かったうえで、好きな人はやったらいいですね。   引っ張ったら首が抜けちゃうよ  

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どーも、金澤です。

 

今日は胸郭出口症候群について少し簡単にブログにしていこうと思います。

 

 

 

実際、交通事故で整形外科にかかると、その先生によっては割と簡単に胸郭出口症候群と診断名が付きます。

首のレントゲンで特に問題なく、手の方でシビレがあったら大体、下記診断名です。

 

頚椎捻挫

外傷性頚部症候群

胸郭出口症候群

外傷性胸郭出口症候群

あとは中心性頸髄損傷とかでしょうか(笑)

 

こんな感じで診断名が付き、ミオナールやメチコ、カロナール、湿布出されて終わりです。

 

 

が、実際は胸郭出口症候群と言うものは、診断が難しい症状。

しかも、外傷性でなるのか?と言うところ。

(鎖骨折れたりと、骨折を伴うような高エネルギー外傷ならあり得る)

 

胸郭出口症候群の症状・原因

 

症状

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作で上肢のシビレや肩や腕、肩甲骨周囲の痛み。

前腕尺側と手の小指側に沿っての感覚障害、手の握力低下、細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状など。

手内筋の萎縮(いしゅく)により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)がやせてきます。

 

鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。

鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

日本整形外科学会 引用

 

原因

腕全体に行く神経が通る道の中で三カ所、圧迫されやすいトンネルがあります。

①前斜角筋と中斜角筋の間

②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙

③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後ろ

 

これらトンネルで神経が圧迫されることが原因となります。

 

 

では、どうして圧迫されるのか!

 

多くはなで肩の女性に多く、なで肩だと腕が牽引され、そのトンネルが狭くなります。

デスクワークで首のコリが酷くなると、斜角筋が緊張してそこでも圧迫されます。

旨の筋肉が強すぎる人も③番目のトンネルで圧迫されるし、

デスクワークで巻き込み肩になり胸の筋肉が緊張しても、なります。

 

そう、多くは外傷性ではなく、元々の体質だったり、筋肉が原因。

これが外傷でなると言う事は、鎖骨が骨折して変形治癒したとかではないと、なかなか考えられません。

 

ただし。

 

過去には事故で斜角筋の筋断裂が起こり、そこが瘢痕組織として治り、その部分で神経が圧迫されて、胸郭出口症候群になったと言う例もありますので

 

絶対ではありません。

 

ただし、お医者さんが軽く見て、あ~斜角筋症候群だね~

では、後遺症の等級はなかなか厳しいですよと言う事です。

 

ムチウチが治らず、途中から胸郭出口の症状が出て、造影検査等をして胸郭出口と診断があっても、

事故との因果関係を否定される可能性が高いです。

 

骨折の伴わない事故で斜角筋症候群による等級を取るには、初診時から数日以内に、皮下出血や筋肉の陥凹を認められてカルテに記載され、

かつ後遺障害診断書を作成してもらわないと難しいと私は考えます。

かりにそれらがあっても可能性は低い。

 

判例では、胸郭出口の手術をして患部を露出してみたら、確かに外傷後の瘢痕、癒着があったとの事で初めて外傷と認められたと言うケースがあります。

それくらい斜角筋症候群は難しいです。

 

 

最後にまとめますが、斜角筋症候群での等級はウチの事務所でも取ったことはありますが、

なにもそこにこだわる必要はありません。

事故当初からサポートが出来たら、間違った方向に行かずキチンと症状を証明できるように道しるべになれますので、

困ったことがあれば、ご相談ください。

 

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 数年前からの接骨院(以下、整骨院等を含む)と士業者の連携ブームですが、とうに下火になっています。当時、ホームページで弁護士と握手した写真をUPする位、躍起になっていた院ですが、それらの広告は鳴りを潜めたように感じます。おそらく弁護士から「あからさまに載せないで!」とでも言われたのでしょうか。

 理由は、あまりにも接骨院の不正が多く、とくに施術料を支払う保険会社に徹底的に嫌われていることも無縁ではないでしょう。弊所には接骨院勤務経験のある柔道整復師:金澤がおりますので、業界の内情を色々と聞いて呆れているところです。

 初めに言いますが、接骨院の施術効果を否定する気は毛頭ありません。むち打ちで難儀している患者さんの頚肩部の過緊張をほぐすなど、必要な技術があることもです。それでも色々と問題が生じるのは、賠償問題と経営が絡むからです。

 接骨院と弁護士事務所の連携関係は、交通事故の患者さんを相互に紹介する関係ですから、患者さんを接骨院に紹介すること=後遺障害の認定を難化させることになります。もちろん、端から症状の早期緩和を目指し、接骨院での施術が患者にとってベストと判断するなら問題ありません。ところが、症状が緩和されているはずなのに長期の通院となり、挙句、保険会社から「これ以上、治療費を払わないので後遺障害申請して」と言われ、混迷する被害者さんが後を絶ちません。ここに至って、士業と接骨院の連携が最悪の結果(治らないのに後遺障害も否定される)を生む事になります。

 自賠責保険・後遺障害の審査において、主たる治療先が病院・整形外科でなければ、患者さんの訴える症状の信憑性は相当下がります。建前であっても、自賠責や保険会社は「医師の判断」を重んじるからです。柔道整復師は医者でありません。少なくとも整形外科で理学療法を重ね、それでも接骨院の施術が必要な場合、サブ的に施術を追加する形なら問題ないでしょう。できれば、医師の指示を得ての施術にしたいところです。東京地裁でも、打撲・捻挫の類では、医師の指示のない施術料を全否定する傾向です。

 一時期、整形外科(月1診断)と接骨院(毎日)を併用させて、等級申請に望むスキームを推奨している士業者、経営コンサルが散見されました。しかし、これも自賠責や保険会社はお見通し、誰が裏で絵を書いているか察知しています。ホームページで堂々と連携を誇示していれば尚更です。彼らが思うほど、保険会社の目は節穴ではないのです。保険会社をなめた、誤った誘導では、本当に症状に苦しむ被害者さんの助けどころか、むしろ2次被害となります。

 以下、本例では、初期からしっかりと治療方針を整えて、審査側の疑いを払拭、余裕の認定となりました。

 被害者の皆様、解決までの船に乗船する場合(つまり、弁護士に委任)、船頭の舵が明暗を分けることをご承知下さい。

山梨の病院は任せて!  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・山梨県)

【事案】

自動車にて信号待ち停止中、追突を受ける。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

整骨院での治療が体に合っていたらしく、初期から症状固定まで整形外科との併用にて治療を継続していた。

【立証ポイント】

5台が絡む玉突き事故であり、前後の車に何度も衝突したため、修理費も高額となった。受傷直後からサポートしていたため、通院先を整形外科>整骨院にするよう説明。保険会社との関係が良好だったため、介入せずに指示のみで対応し、7ヶ月をもって症状固定した。

別の案件でもお世話になった主治医であったため、しっかりとした内容の後遺障害診断書を受領し、ちょうど40日間の審査で14級認定となった。  

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 これは、交通事故後遺障害の立証を生業としている者の格言です。    交通事故被害者の相談の中でも、後遺障害が取れるか否かは、賠償金の増減において重大な勝負所となります。誰が見ても明らかな骨折であれば、人体への”高エネルギー外傷”ですから、予後の機能障害や神経症状、付帯する靭帯損傷や軟骨損傷などは、高い信憑性をもって後遺障害の審査先(自賠責保険・調査事務所)に伝わります。問題は骨折等の器質的損傷が不明瞭ながら、関節が曲がらない、痛み・不具合が深刻なケースです    被害者さん側は、「医師が診断書で○○損傷と診断したのだから・・当然、等級は認められるはず!」と考えます。しかし、自賠責が診断名とそれに連なる症状を認めるには、厳格に証拠を必要とします。それが第一にレントゲンやCT、MRIなどの画像です。画像に明確な所見がなければ、医師の診断名も被害者の訴えも信じません。つまり、等級認定はありません。。

 秋葉事務所でも、明確な画像所見を見出す為にシビアに画像検査を繰り返す、重ねて別の専門医や放射線科医に読影を依頼します。画像所見が得られない場合でも、打撲・捻挫程度の非器質性の損傷や「○○損傷の疑い」に留まる診断名では、神経系の検査などを用いて医学的に証明する作業を行います。それらは、(賠償問題に関わりたくないであろう)医師の協力を取り付けることはもちろん、検査設備のある病院への誘致など、大変に難易度の高い作業になるのです。   その実例(画像は不明瞭だが) ⇒ 14級9号:第一肋骨亜脱臼?(50代男性・茨城県)   その実例(骨折はあるが、癒合後の変形を画像読影で立証) ⇒ 14級9号⇒12級13号:頬骨骨折 異議申立(70代女性・東京都)   その実例(筋電図で立証) ⇒ 14級9号⇒12級13号:外傷性頚部症候群 異議申立(40代男性・千葉県)    「せめてどこか骨が折れてくれれば、苦労はないのに・・」となります。交通事故被害者はその被害者意識も相まって、症状を重く主張しがちです。治療費を支払う加害者(側の保険会社)から「骨折がないのに大げさな!」と思われるのも無理はありません。だからこそ、骨折のない場合や骨折が不明瞭な場合の諸症状の立証こそ、請け負った事務所の力量と根性が問われると思うわけです。

 画像所見や検査結果を抑えて12級以上を取る、決定的な所見はないが症状の一貫性と信憑性から14級に収める・・・連日、苦労と工夫が続きます。  

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 追突されてむち打ちになった! その後遺障害認定を得る為には、症状の一貫性と信憑性が肝要です。堅実に治療実績を積み重ねる必要があります。それでも、整えようがないのは受傷機転です。どのような衝突でどのようにケガをしたのか・・被害車両を見ると、わずかなキズ、へこみ、せいぜいバンパー交換程度の場合です。これら軽微な損傷程度から後遺症を伴うような大ケガとなるわけない、と思われるのは必定です。本件は診断書の精度を高めることで補いましたが、通常は困難な認定だったと思います。

審査員に恵まれたのかな? 運が良かった?  

14級9号:頚椎捻挫(50代男性・東京都)

【事案】

自動車にて信号待ち停止中、追突を受ける。直後から頚部痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

修理費が安く、物損資料を確認しても、どこにぶつかったかもわからないような軽微な事故であった。そのため、保険会社から4ヶ月で打ち切られており、そこからは労災に切り替えて治療をしていたが、症状固定をしてから3ヶ月もの間なにもしておらず、治療も終了していた。

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 交通事故・科学の教科書において定番の、「ビル落下時の衝撃」から説明しましょう。

 自動車が衝突したときの衝撃について、そのスピードから換算すると以下の図のようになります。<『図解 交通資料集』立花書房より >・・いつも、参考にさせて頂いています。

 例えば、時速60km/hで壁に激突した場合、ビル4階(およそ高さ14m)から地面に落下した衝撃と同程度の衝撃となります。高速道路で80kmを超えるような追突だったら、車ごと人間も潰れてしまいそうです。逆に渋滞中、ブレーキから足が離れたクリープ走行で追突された場合、せいぜい10km以下ですから、衝撃はバンパーで十分吸収できます。つまり、大したことない衝撃となるはずです。  

 計算式は以下の通り。時速36km(秒速10m/s)の場合です。40キロに満たなくとも、すごい衝撃となります。

※ 空気抵抗を無視した計算です。考慮すると衝撃は少し下がります。    空気抵抗を加えると文系の私では手に負えない計算式となりますので、大よそはこの計算から衝撃度を想定します。このような計算は、弁護士が裁判で事故の衝撃を立証する際、用いられる科学的根拠=理屈です。加害者側保険会社においても、物損損害でもめた場合(自動車がそんなにひどく壊れたのか?)、アジャスターの損害調査に加えて、科学鑑定を依頼する場面に登場します。

 被害者の医療調査を請け負う私達も、知っておくべき知識です。もっとも、自賠責保険側が考える”衝撃度”の検討は、被害車両の修理額から小破・中破・大破でおおまかに分類、判断していると推測しています。当然、「少破程度の被害から、むち打ちで後遺症になった」としても説得力は下がります。

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 むち打ち・打撲捻挫の類は、骨折などの明らかな人体の破壊がないので、普通、その衝撃はそれほどでもない、大したケガではないと判断されます。

 相手保険会社は「打撲捻挫など腫れが引けば治るもの」と考え、3ヶ月を超えるような長期通院に理解など示しません。早期の治療費打切りに及ぶでしょう。さらに受傷時の衝撃具合は、後遺障害認定における14級9号の判定に絶大な影響を与えます。「その程度の衝撃で後遺症を残すほどの重傷なの?」・・・当たり前の疑問です。

 このような受傷時の衝撃を説明するものが「受傷機転」です。どのように接触・衝突、事故となったのか、です。バンパー交換程度の軽微な追突、交差点の出会い頭衝突でもバンパーの角がつぶれた程度、二車線道路で割り込み車とフェンダーがこすった程度、これらの衝撃で何日も病院に通うなど、誰がみても大げさにみられるのです。

 ところが、打撲捻挫でも症状が長引く被害者さんも一定数存在します。保険会社の冷たい対応を受けてご相談を頂きます。ご依頼となれば、症状の証明に奔走、後の後遺障害立証についても全力でフォローすることになります。しかし、受傷機転だけは変えようがありません。私達の努力が及ばない部分なのです。

 かつて、すれ違いざまに対向車とドアミラーがこすっただけの接触事故ながら、頚椎捻挫で数ヶ月通っている被害者さんの相談を受けました。頚部痛のみならず、めまいと頭痛、不眠、肩こり、不安症も重なり、今でも過呼吸で倒れそう・・心療内科へ一直線です。さらに、視力低下、難聴、便秘、生理不順、夫婦仲の悪化や子供の教育問題まで、ほとんど更年期障害の症状はおろか、交通事故による家庭崩壊まで訴えるのです。そして、保険会社の(治療費打切りの)横暴を1時間に渡りまくしたてます。

 残念ながらいくら熱弁しようにも、受傷機転から訴える症状の信憑性を見出すことはできません。主治医も、もはや面倒な患者に関与せず、医学的な証明など程遠いところに行ってます。せいぜい心因性の関与しか診断できないでしょう。対応できるのは心療内科医か、はたまた心霊治療、悪魔祓いの選択です。保険会社の治療費打切りが至極当然に思えます。  

 連携弁護士も丁寧にお話を伺い、色々と対策を思案します。しかし、事故状況・衝撃から発症したその症状は、あらゆる自然科学、物理法則に逆らうスーパーナチュラル(超自然現象)なのです。治療費の請求など絶対に通りません。常識や科学に反した請求など、ダメなものはダメなのです。  

 大なり小なり、このような相談を何十件、いや何百件も受けてまいりました。当然、お力にはなれません。それでも、数件は真剣に検討したものです。

 それは明日以降に。  

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こんにちは、金澤です。

軽微な事故でもムチウチになり、手足の痺れや頭痛、めまいに悩まされている方が多くいます。

『そんな軽微な追突事故で大げさな!!』と言う方もいると思います。

 

実際、賠償金の為に詐病を使う詐欺師も多くいます。

そんな詐欺師は徹底的に排除する必要がありますが、中には事故から2週間後に症状が出始め、立てなくなるほどになる人もいます。

 

それはいったいなぜでしょう?

 

【目次】

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 「治っていないのだから、まだ治療費を出して下さい!」

 痛みや痺れの症状が残っているのに、相手保険会社から治療費の打切りを切り出されれば、被害者さんはこのように言うはずです。これは当然の被害者感情です。しかし、賠償金で考えると、受傷から半年関治療を続けても症状が残っているのなら、後遺障害14級9号「局部に神経症状を残すもの」の認定を得て、高額となる賠償金を得て解決させるべきです。仮に保険会社が治療費を打ち切っても、その後は健康保険を使って治療を続ければ、自己負担する3割の治療費など高が知れており、後遺障害のお金の方がずっと高額なのです。

 神経症状というものは、通常、受傷からどんどん軽減していくものです。さらに、極端に治療を延ばせば、心因性(心の病で痛いと感じる)、あるいは詐欺(休業損害や慰謝料など賠償金・保険金目当て)に思われるかも知れません。このような被害者さんはおよそ非該当になります。原則、症状がはっきりしている時期までに、後遺障害審査に付すべきなのです。

 つまり、交通事故被害者さんは、解決に向けての損得勘定をする必要があるのです。本件は相手保険会社の打切り後、さらに労災で治療を継続しました。症状は軽減傾向となりましたが、なんとか後遺障害14級9号を得ることができました。結果的に1年以上も治療費を確保した上の認定ですから、結果オーライです。それでも、私達はこのような危ない橋を渡らせることに眉を潜めてしまいます。

巻きの作業でした

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・静岡県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛等の神経症状に悩まされる。

【問題点】

受傷後半年まで保険会社から治療費を出して頂けたが、症状が続いていた。治療費打切り後、本件は労災事故だったらしく、遅れて労災申請、適用し、さらに治療を継続した。その後、労災からも治療費が打ち切られ、この段階で相談の連絡があった。事故から1年以上経過していた。 続きを読む »

 保険会社から治療費を打ち切られると、通院をやめてしまう被害者さんがおります。

 もう、通院しないのですから、「治ってよかった!」・・・とならなければなりません。

 逆に治ってなければ・・・治療費を出してくれない保険会社を呪いつつも、自腹で治療を続けるはずです。    ところが、相談者の一定数は・・・「打ち切られたので、それから病院に行ってません」なのです。    さらに、それでも後遺障害を申請したいと・・。打ち切りと同時に治療を中止すれば、だいたい良くなったと判断されます。

 お金をだしてくれるから(タダなら)病院に通うが、自費では通わない・・・これでは、後遺症どころか症状も軽いと自ら証明したことになります。

 本例は、症状の重さから迷わず健保で治療を継続し、当然に後遺障害認定につなげました。本当に辛ければ、普通に治療・リハビリを継続するものです。 打撲捻挫では、3ヶ月で打切りが普通です  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代女性・千葉県)

【事案】

自動車搭乗中、脇道から飛び出してきた車の衝突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛のみならず、手足のしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。   【問題点】

被害者側の方から保険会社に4ヶ月弱までしか一括依頼をしなかった為、残りの1ヶ月半弱の治療費を健康保険(自費)で対応しなければならなかった。最大の問題は、事故概要が極めて軽微に思われるであろう事案だった。   【立証ポイント】

すぐに病院へ同行して、健康保険対応でも診断書を記載いただけるのかを主治医と面談し、承諾を得た。後遺障害に関する知識と経験が乏しい医師だった為に診断書の内容は散々であったが、却って自然であると判断し、提出。狙い通り2部位で14級認定となった。  

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 最近、めっきり相談者の減った脳脊髄液減少症ですが、一昨年、健保治療が復活して名前も改められました。

 CSFH は、 Cerebro Spinal Fluid Hypovolemia の略語です。健保適用から自由診療、再び健保適用へと変遷にあわせて傷病名も変わりました。現在、脳脊髄液減少症は低髄圧液症候群に戻りました(現場では脳脊髄液漏出症も合わせ、主に3つの傷病名で呼称されています)。この謎の症例には以下の診断基準が存在します。

image2701   (1)症状(自覚症状)

起立性頭痛

 国際頭痛分類の特発性低髄液性頭痛を手本として、起立性頭痛とは、頭部全体に及ぶ鈍い頭痛で、坐位または立位をとると 15 分以内に増悪する頭痛と説明されています。

 CSFHを訴える患者さんは横になると症状が緩和されるそうです。また、応急処置として水分を取ることも有効のようです。点滴で体液を増やす?処置も多く目にしています。

体位による症状の変化

 国際頭痛分類の頭痛以外の症状としては、項部硬直、耳鳴り、聴力の低下、光過敏、悪心、これらの5つの症状です。しかし、多くの患者さんはこの5つに留まらず、あらゆる不定愁訴を訴えています。    (2)基準(他覚的所見)

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佐藤イラストsj今回はあまり重要視されていない検査をご紹介します。    筋萎縮検査というものもあります。ほとんどの個人整形外科医では行われませんが、記載しておきます。神経症状が起こると、その腕をほとんど使わなくなり、筋力が低下するため、腕が以前に比べて細くなるといった現象が起こるのです。その計測の方法は肘の関節から直角に10センチ上を計測することを上腕周径、10センチ下を計測することを前腕周径といいます。患側と健側で1センチ以上差があるときは記載していただくのがいいでしょう。しかし、利き腕や、スポーツ歴等により元々1センチ以上の差がある方もいらっしゃるため、この検査結果は参考程度にしか見られていないかと考えております。

※ 上記の考えはあくまで、頸椎捻挫であり、頚髄損傷等の深刻な神経症状を起こしている場合は参考に留まらず、他覚的所見として判断されるかと思います。

 よく行われるテストで握力のテストがあります。普通に握力計測を行うため、特に解説は必要ないかと思いますので、割愛させていただきます。

 その他に10秒テストというものがあります。グーとパーを交互に行い、10秒間に何回できるかをみるものです。一般的には10秒間に20回を下回ると運動障害ありと判断されます。ただ、この検査も参考にされる程度で目立った所見ではないかと思われます。

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佐藤イラストsj 本日は佐藤が担当します

 先日、病院同行にて主治医が患者さんにこのようなことを仰っていました。

 「あなたは標準体型よりも太っているから、その分頚部に負担がかかっている。まずは減量をしてみてはどうか?頚部の痛み等も軽減する可能性がありますよ。」

 このように仰ったあと、主治医は患者さんのBMIを計測し始めました。

 BMIとは、Body Mass Indexの略で「ボディマス指数」や「体格指数」とも呼ばれているそうです。肥満度を表す指標として用いられます。肥満の基準は国によって異なりますが、日本の基準では以下のようになっています。

 日本肥満学会の肥満度判定基準(出典:日本肥満学会) 

BMI 肥満度判定 18.5未満 低体重(やせ) 18.5~25未満 普通体重 25~30未満 続きを読む »

 以前に交通事故で自賠責の等級認定を受け、新たな事故で後遺症を負った場合、それが同じ部位ならば、加重障害として扱われます。その障害の程度が同じ位なら、自賠責保険金は差引き0円とされます。また、前回の症状を上回れば上位等級が認められますが、前回支払われた保険金は差し引かれます。

 この自賠責の加重ルールの適用により、救済される被害者もいますが、14級9号の審査では非該当とされることが大多数です。やはり、器質的損傷のない、いわゆるムチウチや腰椎捻挫は「1度目で味をしめた?・・2度目はダメよ」と言わんばかりに再認定はかなり困難なのです。

 中には34年前の14級認定を持ち出してきて、非該当とされたケースもありました。それでも前回の事故で逸失利益が5年で解決していれば、6年目から治ったとして、障害はないことになります。理論的にはそうですが、裁判判例でも個別判断、結果は一律ではありません。

 症状の軽重を計り、いつもより精密な説明を添えた申請を試みます。まさに、本件のようなチャレンジが成功することもあります。やはり、加重の判断も症状次第であり、被害者さんの訴えの信憑性が検討されます。ne25-6

 

14級9号:腰椎捻挫(50代男性・千葉県)

【事案】

自動車搭乗中、信号のない交差点で左折車に衝突される。直後から頚部痛・腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

8年前にも頚椎・腰椎捻挫で併合14級が認定されていた。自賠責調査事務所は過去に同じ部位で等級認定を受けている場合には、加重障害として扱い、仮に完治していても、なかなか新たに等級を認めない傾向にある。加重障害で0円評価はもちろん、普通に非該当も覚悟していた。

また、相手が無保険であったこともあり、十分な補償が得られない可能性が高い。幸い治療費は業務中の事故なので、労災を使って11ヶ月間通院した。

【立証ポイント】

本人の人柄が功を奏し、医師との信頼関係が構築されていた。そのため、医師も患者の為になるのであればと、詳細な診断、書類作成に尽力頂いた。また、自覚症状を本人に詳細に聞き取る等、緻密な立証を重ねた。

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 月1回整形外科で診察、リハビリは整骨院(接骨院)

 この治療計画でも神経症状が医師から明確に診断され、症状の一貫性があれば、14級9号が認められます。しかし、私の経験では外傷性頚部症候群・頚椎捻挫・むち打ち患者の90%が、画像所見は年齢変性のもので、腱反射や各検査上、神経学的所見も明確にでません。したがって、この計画は14級9号の認定を目指すなら、止めた方が良いと断言しています。

 症状が長引いているなら、整形外科でのリハビリを強く推奨します。整骨院・接骨院でのリハビリは施術と呼ばれます。通院「実績」としては非常に軽く見られます。なぜなら、それら院は”商売上か、施術の必要上か”わかりませんが、「痛かったら毎日来なさい」と患者を誘致するからです。対して、整形外科は建前でも医師の判断・指示でリハビリを重ねた「実績」となります。治療の妥当性・・ここに、大きな差があるのです。

 困ったことに最近は整骨院・接骨院と連携している弁護士・行政書士が提携先の院に被害者を誘致、後遺障害の認定をダメにしている?ことです。もちろん、後遺障害認定を視野に入れず、整骨院・接骨院での完治を目指すなら良いと思います。しかし、「後遺障害診断書を書いてもらうための整形外科・月1診察」つまり、「治らなかった場合を想定しての、アリバイ作りの整形外科・月1回診察」、これはもう、自賠責側もしっかり把握している、あざとい計画なのです。

 最近もこの計画をある事務所から勧められて、非該当となった被害者さまの相談を受けました。通院すべてを整形外科にしていれば、14級が認められたと思います。いくつかの事務所は間違った誘導によって、罪な事をしているのかもしれません。 c_g_a_13

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代男性・埼玉県)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で右側から無理な割り込み車に衝突される。直後から頚部痛・手のしびれ、腰部痛・足の痺れの神経症状に悩まされる。

【問題点】

相談を受けたのが受傷4ヶ月後だったが、受傷直後から整形外科(月数回)より整骨院(月の半数以上)に偏重して通院していた。 また、通勤事故ではあるが、車での出勤を会社には黙っていたために労災の適用ができない。さらに、MRI撮影をしておらず、症状固定の6ヶ月を目前にしていた。

【立証ポイント】

この不利な局面を覆させなければならない。まず、整形外科(月半数以上)と整骨院(月数回・最終月は無)の通院回数を真逆にした。また、休みが取りづらい環境ということで、丸一日空けてもらい、紹介状の入手、MRI検査を全てその日に終わらせた。その後、医師に具体的な自覚症状や細かい検査結果・画像所見を記載頂き、14級9号となった。

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win  前回述べた3つの靭帯が骨化していく病気について、簡易にではありますがまとめました。

 これらの病気のうち、特に後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症は、せき髄を圧迫する病気であり、これらを患っている方が交通事故に遭われた場合、ムチウチ等の症状と同様、ないしはそれ以上に辛い症状がでることがあります。

※ 前縦靭帯骨化症の場合、せき髄を圧迫しないので前述したように症状が出ることはあまりありませんが、後縦靭帯骨化症が併発しているケースが多いです。

 しかし、一部症状がムチウチの症状と酷似しているため、事故によるものか、病気によるものかの区別ができない場合が多くあります。また、調査事務所もムチウチの後遺症(後遺障害)については症状が信用できるかどうかでみております。MRI画像上で後縦靭帯骨化症等が判明すれば、「既往症あり」として、等級を認めないケースもあります。

 それでは、交通事故に遭われた場合、完全に等級が認められないのでしょうか。

 結論として、事故前から症状があり、症状が交通事故後によりひどくなった場合に、既存障害を前提として等級を認めてもらうように申請をする場合があります。

 例えば、まず交通事故以前に後縦靭帯骨化症を診察されていれば、その時の症状と交通事故後の症状とを比較し、前者が14級9号レベルの症状であった場合で、かつ後者の症状が12級13号レベルの症状であった場合、12級13号を現存障害とし、14級9号を既存障害として認められることがあります。これは自賠独自の「加重」の計算で、

 現存障害(12級の224万円)- 既存傷害(14級の75万円)=149万円の保険金支払い となります。

 裁判上でもこの計算方式が踏襲されることが多くなります。したがって、この差分を前提に裁判基準へと計算し直し、弁護士は相手方保険会社に対して請求する傾向です。    oushoku mri20160324_0000続きを読む »

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