■ 嚥下障害とは?
聞き慣れない言葉ですが「えんげ障害」と呼びます。これは食べ物や飲み物を普通に呑み込めなくなる障害です。飲み込む力が弱まったり、食道と気管を分ける弁の働きが悪くなったりする・・・むせたり、咳がでる、固い物が食べられないなどの症状に悩まされます。原因は大きく分けて3つあり、それぞれ病名も多肢に渡ります。
今週、嚥下障害の造影検査についてお聞きすべく専門医に面談します。したがって今日・明日の日誌は予習です。
■嚥下障害の原因
1、 質的原因・・・食物の通路の構造に問題があり、通過を妨げている。
・舌炎,口内炎,歯槽膿漏
・扁桃炎,扁桃周囲膿瘍・咽頭炎,喉頭炎
・頭頸部腫瘍(口腔・舌癌,上顎癌,咽頭癌)
・食道炎,潰瘍
・食道の蛇行,変形,狭窄
・腫瘍
・食道裂孔ヘルニアなど
2、機能的原因・・・食物の通路の動きに問題があり、上手く送り込むことができない。
・脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷
・パーキンソン病,線条体黒質変性症,進行性核上性麻痺など
・脊髄小脳変性症
・筋萎縮性側索硬化症,進行性球脊髄性筋萎縮症
・多発性硬化症
・ギラン・バレー症候群,糖尿病性末梢神経炎など
・筋ジストロフィー,多発性筋炎など
・重症筋無力症
・加齢に伴う機能低下
3、心理的原因・・・摂食の異常や嚥下困難を訴える患者のうち、理学的所見や検査上明らかな異常が認められない場合。
・神経性食欲不振症,異食症
・咽頭異常感症
・心気神経症
・ヒステリー,うつ病
・心身症(ストレス性胃潰 瘍,神経性胃炎)など
参考文献:藤島一郎『脳卒中の摂食・嚥下障害』