ある2人の被害者さんが足首を骨折しました。それぞれ、後遺障害を申請しました。その結果は同じ12級ですが、12級7号(足首の可動域制限=機能障害)と12級13号(足首の痛み=神経症状)に分かれました。

 自賠責保険の保険金額は同じ224万円でしたが、その後の賠償交渉で、7号の人は追加で600万円獲得しました。一方、13号の方は400万円に留まりました。最終的な解決で、200万円もの差が生じました。両者の差はどこで生じたのでしょうか?
  
 最初に答えを。
 
 7号の方は、逸失利益が67歳まで計算され、その額は400万円に。
 
 13号の方の逸失利益は10年間に留まり、その額は200万円に。
 
 つまり、認定された等級が同じでも、その号によって逸失利益の喪失年数の相場が違うのです。
 
 同じ等級でも、その〇号によって認定等級の優先があります。1.人工関節 2.機能障害 3.偽関節 4.変形 5.神経症状 の順番で判定されます。これは、自賠責保険が規定する等級の序列です。上位が認定されると、下位に重なる障害があったたとしても、併合することなく上位等級が認定され、下位等級はそれに含んだ認定とされます(部位・状態によっては、例外的に併合・相当されることはあります)。これは、他の部位でもおよそ同じです。障害の種類によっては、将来苦しむ年数に違いがあると言うことになります。
 
 号、つまり障害の種類によっては、後の賠償交渉における逸失利益の喪失年数が違います。弁護士は、とくに認定された号を気にしているのです。機能障害が比較的長い年数になり、賠償金が上昇します。
  
 (逸失利益の計算式) 基本は以下の通りです。
 
 事故前年の年収 × 喪失率 × 喪失年数に応じたライプニッツ係数