足根骨 足底腱膜炎(そくていけんまくえん)
(1)病態
足底腱膜炎は、先の足底腱膜断裂の前段階、足底筋の一部の断裂や炎症です。
足底筋はアーチ状の構造を持つ足の骨に対して、弓の弦のように張られていて、ジャンプや走ることで、足が受ける衝撃を吸収する役目を担っています。足底筋膜炎は主に、踵の骨の周辺に発生し、痛みを引き起こします。
(2)症状
足底腱膜炎の主な症状は、かかと周辺の痛みです。この痛みは、踵を地面に付けたときに、増強します。
(3)治療
足底筋膜炎の治癒は、個人差、年齢差がありますが、早ければ3カ月、長くて2、3年です。
非ステロイド性抗炎症剤、NSAIDsやステロイド剤の投与で炎症の悪化を抑え、マッサージ、ストレッチ運動などで痛みを緩和させるリハビリが続けられ、日常歩行には、アーチサポートやヒールカップといった、足の構造を支援する装具を装着することもあります。
(4)後遺障害のポイント
Ⅰ. 若年者、スポーツで鍛えている被害者は、これらの傷病名で後遺障害を残すことはありません。
いずれも、3カ月以内に就労復帰を遂げ、通常の日常・社会生活を過ごしています。
Ⅱ. ところが、スポーツを楽しむわけでもなく、身体能力に劣る高齢者では、リハビリの効果が得られず、痛みが長期化することが予想されるのです。しかし、相手損保は、長期化を認めることはなく、6カ月も過ぎれば、治療打ち切りが打診されます。
Ⅲ. MRIの撮影で、炎症所見もしくは断裂を立証し、持続的な歩行時痛で、後遺障害を申請します。画像による他覚的所見が認められていれば、14級9号が予想されます。ポイントは、簡単に諦めないこと、治りもしないのに、漫然リハビリ通院を続けないことです。
◆ 後遺障害では、いつでも、画像所見が決め手です。
「外傷性頚部症候群に起因する症状が、① 神経学的検査所見や画像所見から証明することはできないが、② 受傷時の状態や治療の経過などから連続性、一貫性が認められ、③ 説明可能な症状であり、単なる故意の誇張ではないと医学的に推定されるもの。」・・・頚部捻挫では、これで14級9号が認定されているのです。MRIで、炎症や断裂の器質的損傷を立証すれば、鬼に金棒です。
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