精神科医の長谷川和夫先生が昨年11月13日に亡くなっていました。ご冥福をお祈りいたします。
私達にとっては、HDS-R(長谷川式スケール)でお馴染みです。認知症に関する国の政策が確立していない、昭和40年代から研究と臨床に携わり、6年前に自らも認知症になったと公表していました。認知症を「診る側」と「診られる側」、双方の立場から臨床研究を続けました。
長谷川先生の功績は数ありますが、「痴呆」「ボケた」など呼ばれていた症状を「認知症」と変えたこと、これが最も影響を与えたと思います。以後、アルツハイマーや老年性認知症患者への臨床、リハビリ、ケアの体系が確立したと言えます。
HDS-R(長谷川式スケール)は、高次脳機能障害の初期において、認知機能の低下を計る簡易検査として、MMSEと並びます。何枚も事務所のファイルに残っています。これからも、その使用頻度は落ちることはないでしょう。