【事案】

自転車で走行中、対抗自転車とすれ違いに接触、転倒したもの。以来、左中指の痛みと上肢のしびれが続いた。

【問題点】

相手自転車に個人賠償責任保険の加入があったが、過失はせいぜい50:50との考えから賠償には消極的であった。

症状についても、健保で治療を続けたが改善が進まなかった。相談を受けて、神経伝導速度検査をするようアドバイスしたが、神経損傷等はみられなかった。
 
【立証ポイント】

骨折や神経損傷など、症状を裏付ける診断名がなくとも、症状の一貫性から14級9号に標準を合わせた。相手は個人賠償責任保険なので、その賠償社の自社認定に付すことになる。病院同行を行い、診断書類を完備させた。次いで、連携弁護士に集めた書類を託し相手保険会社に諮ったところ、14級が認定された賠償提示となった。

後は過失割合と逸失利益の交渉が課題。当方弁護士は、相手自転車の右側通行等から30:70まで相手の譲歩を引き出した。逸失利益は5年間が相場ながら、中学生であるところ18歳高校卒業を想定せざるを得ず、賃金センサスの1年となった。これは、正当な賠償計算であり、当方弁護士と相手損保も容易に合意となった。
 
(令和4年12月)