いつも後遺障害認定された実績を載せていますが、今回は「非該当」になってしまった例について、反省も込めていくつか紹介してみます。

 おそらくほとんどのHPが、こんな認定を受けました!という内容ばかりで、非該当になったことなど書かれていないと思います。需要があるかは分かりませんが、交通事故被害者にとっては目新しい記事かもしれませんので、今後も載せてみたいと思います。

認めたくないものだな・・
 

Case1 頚椎捻挫(50代女性・神奈川県)

【事案】

自転車で走行していたところ、駐車場から出てきた車に衝突され負傷。直後から全身の痛み、神経症状に悩まされる。
 
【問題点】

今回の事故以前に頚椎・腰椎で後遺障害認定を受けていた。(1回目が14年前、2回目が10年前)
 
【経緯】

半年経過後(ちょうど6ヶ月で打切られていた)にご相談を頂くも、頚椎・腰椎での認定実績があるため、今回の認定は非常に厳しい旨を伝え、サポート開始となった。ご本人の主症状としては、臀部から大腿部の痛みであったため、「大腿打撲傷」で申請をする方針をしたが、当然MRI検査でも異常所見はなく、症状の一貫性・通院実績のみとなった。
 
【結果】

門前払いの申請になるかと思いきや、通常通り1ヶ月程度の審査を経て「非該当」の通知が届いた。理由書によると、臀部痛は、腰椎から来ていると判断され、10年前の認定を根拠として非該当となった。大腿部痛については、特に理由もなく非該当であった。
 
【結論】

過去に頚椎捻挫・腰椎捻挫で認定を受けた方の再認定は非常に厳しい。逸失利益だけを考えると、5年経過していれば問題ないだろうと思われるかもしれないが、脊椎の症状は慢性化しやすいため、このような判断が一般的になりつつある。

しかし、既に認定を受けた方であっても、受傷機転や症状等を鑑みて、再認定されることもある。このあたりは「人」が審査することなので、既に認定を受けた方であっても、申請自体を諦めるというのは早計であるが、期待はしない方がいいように思われる。