道路交通法の条文は以下の通りです。あおり運転の典型例を赤字で注釈しました。
あおり運転で、117条の2の2 十一 イ~ヌがいくつも重なると罪状が加算するのでしょうか? 弁護士先生に質問したところ、イ~ヌがいくつあっても、刑が加算されるわけではなく、その罰則(三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)以下で審議されるとのことです。
ただし、ヌについては、それが著しい危険、重大事故となれば別格の扱いとなり、より重い117条の2 六に該当し、同条が求刑されることになります。
<道路交通法>
第百十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
六 次条第十一号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
⇒ 高速道路など駐停車禁止区域で止まり、重大な危険(事故)を生じさせたものはとくに厳罰(記憶に新しい事故ですが、停車させたことが原因で別の後続車に衝突された死亡事故がありました。この事故が法改正のきっかけでしょうか。)
第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
十一 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ 第十七条(通行区分)第四項の規定の違反となるような行為
⇒ 反対車線を走行(して追い抜こうとする行為)
ロ 第二十四条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
⇒ 理由のない急ブレーキ(で後続車へいやがらせ)
ハ 第二十六条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
⇒ 車間距離をつめる(後ろからのあおり行為)
ニ 第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項の規定の違反となるような行為
⇒ 急な割り込み(で急ブレーキをかけさせる)
ホ 第二十八条(追越しの方法)第一項又は第四項の規定の違反となるような行為
⇒ むりな追い越し(で急ブレーキをかけさせる)
ヘ 第五十二条(車両等の灯火)第二項の規定に違反する行為
⇒ 理由のないライト照射(パッシングですね)
ト 第五十四条(警音器の使用等)第二項の規定に違反する行為
⇒ 理由のないクラクション(あおり行為)
チ 第七十条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
⇒ その他危険運転行為(いやがらせレベルの幅寄せなど)
リ 第七十五条の四(最低速度)の規定の違反となるような行為
⇒ 高速道路などの低速運転(前に出てノロノロ運転する)
ヌ 第七十五条の八(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為
⇒ 高速道路など駐停車禁止区域で止まる(後続車を止まらせる)