肩腱板損傷に関する相談、ご依頼をまんべんなく頂いております。早期からの相談であれば、等級認定を含めた対策を誤ることはありません。それは、弊所の実績ページの通り、あらゆるパターンを経験しているからです。
一方、不慣れな事務所に依頼したばっかりに等級が付かず、迷走状態になっている被害者さんも多いものです。最近も某掲示板から直リンされた(?)のか、アクセスが多いので、その記事を加筆修正の上、再掲示します。
今日から3回の元記事は専門家にも好評のようです。多くの方に参考となれば幸いです。そして、できれば、ご依頼もお待ちしています。
医師の診断名は絶対ではない?
交通事故で肩の痛みから腕が上がらず、肩関節の可動域制限が残った被害者さんの相談を100人程度、受けてきました。その中で、無事に機能障害、もしくは神経症状が認められた被害者さんは実績ページの通りです。
⇒ 上肢(鎖骨・肩)の等級認定実績
しかしながら、一方で非該当や、肩関節の可動域制限がありながら神経症状の14級9号止まりの被害者さんが多数存在するのです。私達は初回相談の段階からMRI画像を確認していますので、等級はほぼ想定通りに収まります。したがって、早くから相談の被害者さんに関しては心配ありません。問題は画像所見の不明瞭な方の場合です。とくに、治療先で「事故との因果関係が不明瞭」ながらついた診断名に難儀しています。これが肩のケガの場合ですと、多くは以下の診断名になります。
肩腱板損傷(不全損傷 部分損傷)
肩腱板断裂(不全断裂 深層断裂)
肩腱板疎部損傷 関節唇損傷
もちろん、これらの損傷部がMRI上、事故受傷によって起きたもので、明らかに描出されていれば問題ありません。しかし、どうも元々あった損傷か事故での損傷か、わかりづらい画像が多くを占めます。当然ですが、自賠責は事故との因果関係を検討しますので、診断名のままに認定はしません。事故の衝撃を裏付ける鎖骨や肩甲骨、上腕骨の骨折でも一緒にあれば、ある種の信憑性を持ってくれます。
そして、なんと言っても受傷機転(どのような事故でケガをしたのか)が問われます。つまり、「その衝撃で腱板が千切れるの?」という疑問です。また、人間40年も歳を重ねれば、肩腱板、特に棘上筋に年齢変性(キズやささくれみたいなもの)が現れます。また、スポーツや仕事での酷使から変性をきたしている場合もあります。つまり、元々あった損傷(陳旧性)かもしれません。これら受傷機転と陳旧性が最初に疑われるのです。
恒例の実例解説を(名称等は架空です)。
1、ある日、枝野さん(55歳)は自動車で信号待ちしているところに追突を受けました。幸い骨折もなく、頚椎捻挫で済んだようです。自動車の修理費もバンパー交換程度で20万円位でした。その日は運転して帰宅しましたが、3日目位から肩が痛み出し、腕が挙がらないことに気付きました。
2、遅ればせながら、近所の整形外科 志位クリニックに行って、レントゲンを撮りましたが、当然、骨には異常ありません。とりあえず、湿布と痛み止めをもらって様子をみることにしました。
3、しかし、それから3ヶ月経っても痛みは治まらず・・志位先生はついに、MRI検査をするよう、提携先の松井総合病院に紹介状を書いてくれました。そこで、枝野さんは検査結果を見てびっくり、「左肩部、棘上筋の深層部に高信号あり。腱板損傷の疑い。」とあるではないですか! これを持ち帰り、志位先生に希望して、診断書に腱板損傷の診断名を加えて頂きました。
4、さて、単なるムチウチで数日の通院を想定していたJMN損保の担当者・岸田さん、枝野さんに電話で「そろそろいかがですか?」と通院打ち切りの打診をしました。対する枝野さん、「私は腱板損傷なんですよ、しばらく治療が必要です!」と激怒です。岸田さんもそんなバカなと「それでは医療調査を入れますので」と電話をガチャン、以後、激しい戦いの火蓋が切られたのです。
5、JMN損保は医療調査の結果から、事故受傷と腱板損傷の因果関係を否定、3ヶ月一杯で治療費を打ち切りました。枝野さんは志位先生に泣きつくも、志位先生は診断名を変えることまではしませんが、争いに巻き込まれたくないようで・・埒があきません。そこで、弁護士先生に相談することにしました。
さて、ここから、弁護士等受任者の経験・実力から、さらなる迷走か、軌道修正か、運命が分かれます。まさに、相談を受ける者の経験・力量が問われます。 明日はその3パターンをみてみましょう。
つづく