続いて、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」の認定例を、細田先生の実績から紹介します。
昨日の症例は、ひどい痛みと、基準(≒ギボンズのRSDスコア)にほぼすべて合致することから、神経系統の機能障害として7級の認定でした。骨折後の症状であり、分類でいえばTypeⅡ(≒カウザルギー)になります。
一方、本件は捻挫の診断名から後に発症したもので、TypeⅠ(RSD)に類するものです。機能障害まで及ばずとも、14級9号「局部に神経症状を残すもの」や、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」のいずれかで認定されるケースです。CRPSは特殊な症例ですから、早期に専門医の診断を受けること、何より「疼痛コントロール」と呼ばれる治療を開始することが望まれます。
無策のまま放置すると・・・
○ 整形外科医は・・「う~ん(頭を傾げる)、様子をみましょう」と、延々とロキソニンと湿布の処方が続きます。
○ 相手の保険会社・・「いつまで通ってんだよ(怒)、事故から何か月も経っているのに痛い痛いって、大げさな」と治療費の打ち切り、終には弁護士介入とします。
CRPSの被害者さん、その痛みは尋常ではありません。加えて上のような境遇に・・
12級13号:CRPS(50代男性・静岡県)
【事案】
渋滞の最後尾で信号待ちしていたところ、追突された事故。
【問題点】
地元の整形外科に通院していたが、CRPSについてはほとんどノータッチであった。本人が痛みに関して治療できる病院を探していたが、どこの病院も取り合ってくれないという状況が長く続いていた。
この傷病は、普通の整形外科では放っておかれることが多く、そうでなくてもCRPSをきちんと見てくれる病院はかなり少ないため、痛みの原因が分からず、被害者は迷走することが多くなる。
【立証ポイント】
ご依頼後すぐに専門医を紹介。治療を開始するも、痛みを抱えている期間が長かったため一筋縄ではいかない。専門医の話では、痛みを抱えている期間が長いといろいろなことが複雑に絡み合い、その痛みを解きほぐしていくのは大変とのこと。
最終的にSCS術を行うも、痛みは残存。残した症状を丁寧に診断書に落とし込んでもらうことで、何とか12級13号を確保できた。