続けます
前回 👉 パニック障害について ①
不安障害の症状は主に字のごとく「不安」です。誰でも経験しているように思いますが、ここに記載する「不安」とは、はっきりした理由がない若しくは理由があってもその理由に対してひどく不安に思う、またその感情を何度も繰り返す、いつまでも続くというのが病的な「不安」です。
不安のあらわれ方は様々なので、①で記載したような分類がされているのです。
パニック障害の症状としては、パニック発作、予期不安、広場恐怖が3大症状とされています。中でもパニック発作、それも予期しないパニック発作がパニック障害の必須症状であり、予期不安、広場恐怖はそれに伴って二次的に生じる症状とされています。
パニック発作とは、パニック障害の特徴的な症状で、急性・突発性の不安の発作です。動悸、発汗、身震いや震え、息切れ感や息苦しさ、窒息感、胸痛や胸部の不快感、嘔気や腹部の不快感、めまい等の症状がいくつもある場合、パニック発作と診断されるようです。
予期不安とは、パニック発作を一度経験して、あの恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安感が生じることを言います。予期不安にみられる症状には、「発作を起こすこと自体への不安」と「発作によって起こる別のことへの恐怖」がありますが、別のことへの恐怖とは、発作によって死ぬのではないか、誰も助けてくれないのではないか、他人に迷惑をかけるのではないかといった感情になることを指します。
広場恐怖とは、パニック発作を経験した人が「特定の場所や状況」を避けるようになることを言います。発作が起きたときにすぐに助けを求められなかったり、逃げ出すことができないような場所を避けるようになるようです。(例えば、電車やバスなどの公共機関や人混みなど)また、過去にパニック発作が起きた場所で、もう一度そこへ行くと発作が起きるのではないかと思い、このような場所を避けるようになるようです。
尚、パニック障害の診断基準は次のようになっています。
A 1.と2.の両方を満たす
1. 予期しないパニック発作が繰り返し起こる
2. 少なくとも1回の発作の後1カ月以上、以下のうち1つ以上が続いていたこと
a) もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
b) 発作またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、“気が狂う”)についての心配
c) 発作と関連した行動の大きな変化
B 広場恐怖が存在している(広場恐怖を伴うパニック障害の場合)
C パニック発作は、物質(たとえば乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(たとえば甲状腺機能亢進症)の直接的な生理学的作用によるものではない
D パニック発作は、以下のようなほかの精神疾患ではうまく説明されない。たとえば社会恐怖、特定の恐怖症、強迫性障害、外傷性ストレス障害、分離不安障害
(厚生労働省のHP参照)