今や商業車のみならず、一般ドライバーへの普及が進み、ドライブレコーダー(以後、ドラレコと略します)が事故状況について、証拠として警察に提出されることが多くなりました。
 
 ドラレコは交通事故の状況を証拠として残すものですが、近年、一般車両への普及が急上昇した一つの要因は、「あおり運転」の事件がクローズアップされたことではないかと思います。昔からたちの悪いドライバーはいたものです。悪質ドライバーが急に増えたとは思えませんが、映像に残るようになれば、皆がドラレコを備えることになります。抑止力になればよいと思います。

 ドラレコは、まず、刑事処分の資料になりますが、当然に民事の賠償交渉でも1級の証拠です。保険会社もドラレコがあれば、それを基に過失割合の交渉に臨みます。私達の相談会でも、ドラレコを持参する方が以前からおりました。中でも思い出に残る方は、交差点での出会い頭衝突事故で、8年前の当時は珍しかったドラレコの映像を相談会にご持参下さいました。
 
 早速、私のパソコンで映し出しました。夜の道路を進んでいく映像を、弁護士さん達と固唾を飲んで凝視です。この日は相談員の弁護士3人に加え、相談会の見学にオブザーバーとして複数事務所の弁護士先生が3人参加でした。その6人がノートパソンコンに対峙する私を囲むように、画面に食い入ります。まるで、三谷 幸喜 監督の映画のカメラ構図のようです。
 
 しかし、映像は5分を経過しましたが、いつまでたっても衝突しません。 ??? しびれを切らして、「一体、どこで事故になるのですか?」と被害者さんに聞きました。
 
 すると、「これは事故当日ではなく、後日、現場を走行した映像です。」
  
 一同、「それじゃ、意味ないじゃないですか!」とズッコケたものです。
  
 この被害者さんはこれに留まらず、ユニークな(?)問題満載で、相談会の歴史の中でも屈指のエピソードに。この日の相談者さんは忘れられない方ばかり、伝説の被害者さん認定がおよそ5名(長いものに巻かれろ、ラマダン、脱がんでええ!、出合頭事故を追突だと取り調べに9時間も粘った方、他)も参加、まさにオールスター大会でした。いずれ、個人情報に配慮しつつ、紹介したいと思います。
 
 
 事故の際、貴重なドラレコ映像ですが、重大事故となればその証拠として警察が確保してしまいます。一旦提出すると、なかなか観せてくれません。返してもくれません。提出前にコピーしておくことを勧めます。

 さて、ドライブレコーダーも日進月歩、あいおいさんがメーカーと共同開発したニュースを紹介します。事故相手だけではなく、運転者の安全運転を監視するため、社内カメラを備えたもののようです。<レスポンス様、保険デイリーニュースより>
 
 
 ケンウッド×あいおいニッセイ同和損保、新・通信型ドライブレコーダーを共同開発
 
 JVCケンウッドは、あいおいニッセイ同和損保の自動車保険フリート契約者向けサービス「ささえるNAVI『Lite』」に対応する新・通信型ドライブレコーダーを共同開発したと発表した。

 ささえるNAVI「Lite」は、あいおいニッセイ同和損保がテレマティクス技術を活用したフリート契約者向けの事故低減支援サービスで、これまで約2000社の企業が導入。ケンウッド製通信型ドライブレコーダーを通して収集、分析した車両の運行データを基に、リアルタイム動態管理機能や安全運転支援機能などが利用できる。また事故やトラブルが発生した際には、発生時の映像や位置情報を記録するとともにリアルタイムで運転管理者に通知する。

 ケンウッドは、2018年4月のサービス開始時から通信型ドライブレコーダーを供給してきたが、あいおいニッセイ同和損保が2021年1月から提供を開始する新たな保険サービスに対応する機能を追加した、次世代の通信型ドライブレコーダーを新たに開発した。

 新機種は、前方を撮影するメインカメラに加えて新たにドライバーモニター用の2ndカメラを標準搭載。「顔認証機能」により運転者を自動特定してドライバーごとの運転結果に対して安全運転指導を行うとともに、「携帯使用・わき見・居眠りアラート」により「ながら運転」などの危険挙動を抑制する。また、バッテリー付き電源ケーブルを搭載。大きな衝撃などにより車載器への電源供給がストップした場合でも動画の送信ができるほか、バッテリーによる車載器のクイック起動も可能とし、乗車直後の駐車場内事故などにも対応する。

 今後もケンウッドは、通信型ドライブレコーダーを軸に、他のIoT製品やエッジAI製品などとも組み合わせながら、自動車保険やライドシェア、トラック運送業界などのほか、さまざまな分野との連携により、ドライバーに安全・安心を提供するテレマティクスソリューションを提案していく。