【事案】

歩行中、自動車に衝突される。頭部を強打し、意識不明の状態で救急搬送され、外傷性くも膜下出血、脳挫傷の診断が下された。

【問題点】

主治医は高次脳機能障害に不慣れな医師であり、高次脳機能の検査・評価が難しかったため、近隣で検査先を手配する必要があった。また、高齢のため、何度もリハビリに通って検査することができないと予想されたため、その点も踏まえた検査先を手配しなければならなかった。

【立証ポイント】

娘さんが看護師、そのご協力から、ご本人の症状について、具体的かつ分かりやすく医師にお伝えすることができた。診察では分からないような日常生活についての資料も主治医にお渡しして、検査では計ることができないご本人の症状についても診断書に記載していただくことができた。医学的観察と家族の日常観察の両面から、より実情に沿った資料が完成した。

あれほどしっかりしていたお母さんが、まるで認知症患者のように思われている・・・疑問を感じていたご家族としては、高次脳機能障害7級4号が認定されて、ますは安堵となった。しかしながら、被害者家族の苦悩はこれで終わりではなく、これからがスタートとなる。介護状態が続いていくことを考えると、なんとも複雑な心境になる案件となった。

(令和2年8月)