「医師らの感染、原則労災に」 新型コロナで厚労省方針

 
 新型コロナウイルスに感染した医療、介護従事者について、厚生労働省は29日、業務外での感染が明らかな場合を除き、原則として労災保険給付の対象とすると明らかにした。同省ホームページの「新型コロナウイルスに関するQ&A」に掲載した。厚労省は業務との因果関係を明確にするため、基本的に感染経路の特定が必要としているが、医療、介護職場での感染リスクを踏まえ、こうした運用にしたとみられる。

 医療従事者の労災を巡っては、現場で感染者の検査や治療に当たる医師や看護師らから、速やかな認定を求める声が上がっていた。
<4/29(水) 21:43配信共同通信さまから引用>
 

 新型コロナに罹患した場合、労災がおりるのか?

 

 早くもこの質問を頂いております。答えは、通常の業務災害同様、「業務との因果関係があればOK」となります。しかし、問題は因果関係の証明です。恐らく労災側は綿密な調査をすると思います。それは、主に感染経路を特定する作業です。医療現場等、感染経路が明らかな職場であれば問題ないと思います。感染経路が判明しない場合は、「潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。」とあります。とくに、「感染者との接触、接触の可能性」が鍵のようです。

 現在、政府が発表する罹患者数の内訳上、日毎に感染経路不明の罹患者が増えていることを考えると、「どこから感染したかわからない」罹患者さんは、労災が認められないことになります。通勤中に罹患した場合(通勤災害)ですと、ほとんど「どこでうつったかわからない」ことになります。

 今回の発表で医療・介護従事者の皆さんは一安心ですが、それ以外の罹患者の場合、感染経路の特定から業務災害であることの立証作業が課されます。なかなかにハードルの高い作業となること必然です。ご依頼がきてしまったらどのように対応するか? 弊所にとって新たな課題になりそうです。

 これも、むち打ち同様、目に見えないものとの戦いかもしれません。すると、先の「新型コロナウイルスに関するQ&A」を基に、状況証拠を収集の上、労災の審査に付すことになるでしょうか。