【事案】
横断歩道歩行中、対抗右折自動車が衝突、受傷した。意識不明のまま救急搬送され、外傷性クモ膜下出血の診断となった。
(参考画像)
意識が回復後、外科的な処置が済むとリハビリの為、転院となった。幸い、記銘力(記憶力)は深刻な問題はなかったが、注意能力、同時処理能力がそれぞれ低下がみられた。また、歩行は可能だが、軽度の半身麻痺も残存してした。
【問題点】
退院後、続けてリハビリ通院を希望も、主治医の判断は「必要なし」。また、後遺障害診断書の作成についても打診したが、これも拒否される。紹介元である救急搬送先の病院の主治医に戻って、後遺障害の診断を求めたところ、ここでも神経心理学的検査の実施、及び後遺障害診断書の記載に否定的であった。
つまり、2箇所の治療先共々、高次脳機能障害の認識がない。
【立証ポイント】
やむを得ず、主治医に紹介状を書いて頂き、高次脳機能障害の専門院にお連れした。ここでようやく、リハビリ治療の継続と神経心理学的検査の実施をして頂けることになった。そして、一定の治療後に後遺障害診断書を作成して頂いた。
また、家族から退院後、本人が日常生活を送る上で現れた症状のエピソードをメモに残して頂き、最後に日常生活状況報告書に詳細にまとめた。
被害者請求の結果、高次脳機能障害で7級4号が認定された。なお、半身麻痺は高次脳機能障害の症状の一つに含まれての評価であった。
(令和元年12月)