最初に結論しますと、私の交通事故業務28年間では、ほぼ100%支払ってもらいました。
自賠責保険の自賠法、民間の保険の保険法では、それぞれ時効を以下のように定めています。
自動車損害賠償保障法 第19条(時効)
第16条第1項及び第17条第1項の規定による請求権は、3年を経過したときは、時効によって消滅する。
保険法 第95条(消滅時効)
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する。
加えて、損保協会のパンフレットには以下のように注意書きが添えられています。
保険金請求権の消滅時効の起算日は、保険法に規定が設けられていないので、民法の一般原則により判断することになりますが、保険商品や保険金の種類などにより異なりますので、注意が必要です。
細かいルールは保険の内規、支払規定に書かれています。保険種別によって違いがありますが、損保商品の多くで「事故発生から30日あるいは60日以内に事故報告をして下さい。」とあります。それ以降に遅れて事故報告、保険金請求をした場合、規約に違反していますから「保険金を支払わない」対応も違法ではありません。しかし、この規約違反の請求に対して保険会社は割りと寛容で、「保険がでることを知らなかった」理由であれば、ほとんど支払OKの判断です。
この報告遅延を含め、時効を理由に支払拒否をする、つまり「時効を援用する」ケースは、保険請求に悪質性がある場合、問題のある契約者の場合に限ると思います。
今年も終盤ですが、既に時効となった保険請求が2件あります。これらも問題なく請求・支払に続くと思います。