こんにちは、金澤です。
本日は骨折後の骨癒合期間を短縮する治療の話をしていきます。
骨が損傷し、治っていくまでには決まった段階があります。
骨が折れると、骨を包む骨膜が破れ、出血します。
血液内に含まれるカルシウム物質が、折れた骨の隙間を埋めます。
隙間を埋めたカルシウム物質はやがて石灰化を始めます。
そうしてできるのが「仮骨」です。
仮骨はやがて本物の骨になり、元通りになります。
これを骨癒合と言います。
骨折の骨癒合期間はだいたいの目安がデータとして出ています。
「グルトとコールドウェルの骨癒合期間」
グルトの癒合期間は、最善、最良の状況の場合は〇週で骨が癒合しますということです。
つまり、一番上の指骨(指の骨)が折れた場合。
最良の状態で固定して、栄養なども取り最善の状態を維持すれば、2週間で癒合します。
そうでなくても、3~6あればくっつきますよ。と言う意味ですね。
なので医師・リハビリ・患者の目標としてはなんとかこのグルトの骨癒合日数で骨をくっつける事を目標としていきます!
超音波の力で骨癒合を早める
超音波治療器 イトー UST-770
これは良く整形外科などでも行われている治療だと思いますが、
超音波を当てて骨の癒合を早める方法です。
超音波を当てたから何故骨折が早く治るの?
これは、学者によって意見は分かれるところではあります。
骨が治っていく過程は、
ウォルフの法則
骨はそれに加わる力に抵抗するのに最も適した構造を発達させる
ドイツ解剖学者、Julius Wolff
と言う法則が根底にあります。
つまり、骨に外力が加わると骨の内部に応力が生じて骨は歪むが、その応力が大きい部位ほど骨の組織が増え、厚く丈夫になります。
反対に、応力が小さい部位は骨組織が吸収されて薄くなります。
良く、子供の頃ジャンプや運動をしたら骨が成長する。
と言われたことがあると思います。
(私はそう言われました(笑))
骨粗しょう症なども、運動不足の人に多いのも、これが一つの原因です。
やはり運動をしたら丈夫で密度の濃い骨が出来ます。
逆に運動をしないと骨はどんどん弱ります。
宇宙飛行士も、骨に外力を与えるために宇宙空間で相当な筋トレをして負荷をかけます。
そうでないと地上に戻った時、骨や筋が重力と言う外力に耐えられないのです。
補足ですがこのメカニズムは、骨が外力により歪むとそこにピエゾ電圧が発生し、
陰極にカルシュウムイオンが充血し、造骨細胞により骨組織が形成されると考えられています。
骨折は外力による骨の歪みが最も大きい部位に生じるので、
手術で骨を整復した後に適当な外力を加えると、骨折部に骨の増殖が起こり、回復が促進されます。
この法則を根底に、超音波治療の内容を説明します。
①超音波が生体組織に照射される際に生じる熱で、温熱作用を発生させ、血行を促進させます。
これ.により血液分布がふえ、カルシウム組織をより多く集める事ができます。
②超音波が到達している範囲には、1秒間に100万回(1MHz)/300万回(3MHz)の高速で、深部に直接刺激を与えることができるのです。
この外力により、ウォルフの法則に法り、骨組織が形成されていくのです。
③ちなみに今ある治療機器の中で最も身体の深部(骨まで)届くのは超音波治療器のみです。
骨折した後すぐに運動をすると、上手くくっつかずに偽関節になってしまいます。
ですが超音波なら、骨折直後の急性期から使用が可能で、深部温熱作用により血液循環を良くし、新鮮な血液を随時供給することも可能です。
こうして、骨折の後の治りを早めるには超音波が適していると言えます。
後はやはり、食事管理(栄養管理)と骨癒合が進んできたら、少しずつ運動をしていくことです!
そうして骨折はより早く治すことが可能ですよ!
交通事故の被害に遭われたかたも、より早く、変形など残さない為にも、きちんとリハビリに通い身体をよりよく治して下さいね!!
では、今日は終わりです、ありがとうございました!