何事も10年ぶれずに続けていくことは、周囲の信用・信頼につながるものです。それが、相手損保や自賠責調査事務所など、被害者側からしてみれば反対となる立場の方からも、時折好印象を頂いています。秋葉事務所の立場は被害者側の損害を調査・立証するものですから、相手保険会社にとって保険金支払いの増大を図る憎い存在?にもなろうものです。しかし、現場はそれ程単純ではありません。理由は以下の通りです。
 
 損保担当者は、常時100件の案件をどんどん消化していく必要があります。解決が遅れるとファイルが山積み、えらい事になります。したがって、早期解決の第一歩として治療費の打切りを急ぐのです。それに対し被害者側は、「保険金を払い渋っている!」と考えがちですが、担当者にとって、”早く処理する”ことがまず大目標なのです。むち打ち患者の一定数は症状が長引き、治療の長期化となれば、担当者は早期の治療費打ち切りが命題となります。秋葉事務所は被害者側ですから、一定の治療期間の要求はします。それでもきちんと6ヶ月で症状固定させるものですから、うっとおしい打切り打診をせずに済んだ担当者から、(連携弁護士を介してですが)「助かります」と言われることになります。

 単純に払い渋っているのかな?

 損保の対人担当者にとって、早期処理が成績評価になります。その後、後遺障害等級が認められ、損害額が増大したとしても、それは自賠責のジャッジであって、担当者に責任はありません。次いで、被害者に弁護士がついて、さらに支払額がUPしたとしても、それは”弁護士が介入した”からであって、担当者の責任ではありません。

 ここまで言えばおわかりと思います。彼ら担当者はサラリーマンですから、自分に責任のない事に躍起になりません。上司に怒られさえしなければ良いのです。仮に、打撲捻挫で1年も打切りが出来ないケース、被害者との直接交渉で折れて保険金を多く支払った解決・・これこそ、上司の激怒と勤務査定の低下となるのです。
 
 被害者さんはもちろん、交通事故に関わるすべての業者さんは、このような保険会社の側面を知るべきです。
 
 これ以外にも、自賠責保険の調査事務所からも、感謝の意が届きます。等級審査で自賠責が毎度難儀していることは、病院への追加的な書類、不足画像の請求、その他診断書の修正などです。病院は大抵迅速に回答してくれません。これらが審査の遅れる主原因となります。それを被害者に代わって速やかに進める私達の存在は、第一に被害者の利益を求めながらも、自賠責の審査業務を助け、早期解決を求める相手側の利益につながります。

 確かに、被害者側の損害を明らかにする医証(診断書や検査結果など医学的な証拠)は、相手損保の支払いを増大させることになるかもしれません。しかし、自賠責保険の審査を助け、後の交渉・斡旋・裁判に進展した際にも、紛争の決着に決め手となる書類の完備と早期収集は、大局的には関係各者にとって歓迎すべきことです。もちろん、決定的な書類を突きつけられた上での(保険会社が困る)結果についても、保険会社担当者へはなんら責任は問われません。裁判での決着など、保険会社にとって「仕方ない」ことですから。

 秋葉事務所の活動は、被害者さんの利益の為の業務でありますが、保険会社にすんなり支払いを促す効果を併せ持つ業務になります。被害者さんの損害を明らかにする=事実証明を明瞭・迅速に進め、紛争の防止と拡大を防ぐ、まさに社会貢献につながるものと自負しています。