医師の治療努力には常に敬意を払っています。医師には”後遺症を残さず治す”プライドがあります。しかし、後遺症が残存しながら見逃すことは、私達のプライドが許しません。時には、医師の不興を買ってでも食い下がります。本件の主治医にも、大変ご迷惑をおかけしたと思います。それでも、協力してくださった先生に感謝申し上げたいと思います。
12級7号:脛腓骨骨幹部粉砕骨折(30代女性・長野県)
【事案】
歩行中、後方より走行してきた乗用車に衝突される。救急搬送され即入院、3日後に手術が施行され、約1ヶ月の入院を余儀なくされた。
【問題点】
主治医が障害について関心がなく、後遺症残存と潔しとせず、「よくここまで治した」ことを誇るタイプであった為、立証作業が困難となった。
主治医は抜釘後の診察にて、「これで完治。」と断言した。
【立証ポイント】
本件は腓骨が変形癒合しており、レントゲンではっきりと認識できるが、変形障害の「著しい変形」とまでは基準上難しい。それでも、足関節の不具合を事前に確認していた。
(参考画像)
迷惑顔の主治医に協力を乞い、MRIと両脚揃えたXPを依頼、追加検査の末に後遺障害診断とした。理学療法士による可動域計測に立ち会い、12級の機能障害の基準値であることを見届けた。後遺障害診断書が完成したが、可動域数値に不備があった為、修正依頼を実施して完璧な状態に仕上げてから申請した。このような苦労の末、狙い通り12級7号認定となった。