会社は労災の請求に消極的です。

 また、社員も労災を請求したのですが、会社の顔色をうかがって遠慮してしまいます。使われている側なので仕方ありません。

 問題は、会社側に正しい知識がないことです。とくに、「労災を使うと、掛金が上がるから・・」、これについて、調べました。


 
 以下に該当する会社については、一定規模の基準によって労災掛金が±40%の範囲で増減します。
 
○ 100人以上の労働者を使用する会社
 
○ 建設業等で労災保険料が年間100万円の会社
 
○ 20人以上100人未満の労働者を使用し、災害度係数が0.4以上の会社
 
 災害度係数とは{社員数×(業種ごとの労災保険料率-非業務災害率)}で算出します。この非業務災害率は現在0.06%となっております。

 従業員数80名の飲食業の場合、上記の計算式にあてはめると・・・ 80名×(0.3%-0.06%)=0.192≦0.4

 ・・・災害度係数は0.4未満となり、基準を満たさないため労災保険料が高くなることはありません。
 
 つまり、労災保険料率が0.4%を超えない会社については、建設業(掛金100万超)を除き、100人未満であれば労災保険料率が高くなることはありません。20人未満の会社は当然に関係ありません。
 
 また、通勤災害は、被害者・社員か、加害者が悪いのであって、会社にまったく責任がありません。労災側の調査によっては、労災掛金に影響ありません。