お医者さんの全てが名医で、初診で正しい診断名をつけてくれるとは限りません。とくに、事故受傷から期間の開いた診断名は、因果関係を疑われます。本件も受任した弁護士先生が、その危険を察知したのか、秋葉へ相談していただきました。一見、簡単に認定はされないだろうと、釘をさしたが、基本通り圧迫骨折の立証を進め、無事に認められました。簡単な認定のようで、実は危ない経緯だったのです。
こんな仕事の連続です
11級7号:腰椎圧迫骨折(20代男性・埼玉県)
【事案】
オートバイ走行中、交差点で相手方自動車が左方から衝突、さらに、その衝撃で道路右側に激突した。腰と左膝を受傷した。
【問題点】
救急搬送先で腰部打撲、左下腿打撲の診断に留まり、自宅近くの整形外科に転院・リハビリを開始してから、左脛骨不全骨折の診断となった。また、事故から5カ月目のMRI検査によって、腰椎圧迫骨折、左膝靱帯損傷の診断となった。これら診断の遅れが問題。相談に来たのもその頃で、さらに保険会社から治療費の打ち切りを打診されていた。
【立証ポイント】
事故直後のXP画像上、腰部圧迫骨折と見られる箇所はかろうじて確認できたが、他方で事故から数カ月経過後のMRIを確認したところ、年齢が若いためか、水分反応が希薄になっていた。臨床上、骨折が後になって見つかることはあるが、後遺障害等級の審査では因果関係を否定されやすい。主治医に後遺障害診断書に腰椎の圧壊具合を丁寧にまとめて頂き、事故当初のXP画像やMRI画像から骨折箇所をピックアップして画像打出しを作成、補強した。
申請から約1カ月後、首の皮一枚で11級7号が認定される。