【事案】
自動車搭乗中、信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。頚部痛だけではなく、追って腰部痛と耳鳴りも加わった。
【問題点】
むち打ちの症状だけでなく、耳鳴りや腰部痛の症状もあるが、診断書上、事故直後は頚椎捻挫しか診断名がなかった。腰椎捻挫や耳鳴りも事故当初から訴えていたようだが、それぞれの診断名や症状の記録は、事故から数カ月経過してからであった。
また、既に依頼していた弁護士から、「後遺障害は認定されないから、申請しても意味がない」との方針を受けていた。本人は納得いかず、当方の相談会に参加された。
【立証ポイント】
頚部、腰部の各MRIを確認したところ、画像上、確かに腰部の方が酷そうに見えるが、実際の神経症状は頚部の方が重篤のよう。
さらに、耳鳴を突き詰めても、オージオグラムの数値から14級が限界。14級は何個集まっても併合14級のままであり、併合で繰り上がることはない。そこで、頚椎捻挫以外の症状を捨てて、頚椎捻挫一本で安全に14級9号を確保する方針で被害者請求に進めた。
主治医は腰椎捻挫の治療も続けていたが、主訴を頚椎捻挫に絞り診断書を作成頂いた。おもいきって耳鳴りは不記載に。
申請後、予想通り、腰椎捻挫は因果関係から否定されるも、頚椎捻挫で14級9号が認定された。
(平成29年11月)