【事案】
オートバイで直進中、交差点で左方からの相手方自動車と出会い頭衝突、頭部を受傷した。
【問題点】
本人との面談は受傷後、数ヶ月経過してからであった。既にリハビリ中、ほとんどの神経心理学検査を実施していた。また、幸い回復も良好であった。神経心理学検査はほぼ完了していたことや、自覚症状(家族から確認していた症状)と表れていた検査数値と一致していため、検査を追加することはなかった。しかし、性格変化で幼児退行、極度の不安症等、神経心理学検査では判別が難しい情動障害も目立っていた。
治療をもうしばらく継続して、事故から1年後に症状固定する方針であったが、症状が目立たないためか、相手方保険会社が休損を途中で打ち切ってきた。
【立証ポイント】
治療費を打ち切られたのならしょうがない。ただちに後遺障害申請に進めた。いつものことであるが、主治医は高次脳機能障害を認めるも、日常生活での変化、情動障害について詳しく把握しきれていなかった。そこで、家族と綿密に打ち合わせして、上記各症状から生じる日常生活面での支障内容を主治医に報告、診断書の精度を上げた。さらに、これら報告内容をより詳細に日常生活状況報告書にまとめて被害者請求をした。
その結果、高次脳機能障害で7級4号が認定された。なお、本件では味覚嗅覚も喪失しており、それぞれ12級相当が認定され、併合6級となった。当初の設計通りの認定結果に収めることができた。
※併合の為、分離しています
(平成29年12月)