【事案】
自動車運転中、交差点で信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛や手のしびれのみならず、耳鳴りも発症した。
【問題点】
相談を受けた当時、整形外科の他、接骨院にも通院していたことから、まず整形外科で集中的に治療するよう指示した。また、本件では頚椎捻挫の診断名ながら、事故当初から耳鳴りも発症していた。オージオグラム検査上、検査数値は8000Hzで60dB以上、6分平均で35dB以上出ていたが、診断書上、耳鳴りの記載が登場したのは、事故から1ヶ月後で、かつ、耳鼻科での治療先を探すのに時間がかかったため、耳鼻科での治療開始時期が事故から2カ月以上経ってからとなっていた。
自賠責保険の申請で最高難度の一つと言える、骨折などの器質的損傷がない、「むち打ちで耳鳴り12級」の立証が課せられた。
【立証ポイント】
初診の遅れから事故との因果関係で非該当となる可能性があった。耳鳴りの発症時期を確認するため、カルテ開示も検討したが、主治医による、事故受傷から1ヶ月以内に耳鳴りが発症し、耳鼻科へ検査依頼した紹介状を発見!、後遺障害診断書に添付して被害者請求をした。これで信憑性が担保されたはず。
申請から4ヶ月後、器質的損傷が認められないにも関わらず、耳鳴り12級の認定となった。かつて、むち打ちによる嗅覚障害で12級、排尿障害で11級を引き出してきた秋葉事務所の真骨頂と言える。
なお、本件は頚椎捻挫、腰椎捻挫でそれぞれ14級9号も認定されたため、併合12級となった。
(平成29年12月)