【事案】
自動車走行中、交差点で右方から信号無視の自動車と衝突、受傷した。病院で腰椎圧迫骨折の診断を受ける。
【問題点】
圧迫骨折するときは激痛で動くことができないことが一般的であるが、本件では痛みを我慢し、翌日に病院に行ってから初診を受ける。また、途中で医師が変わったため、最初の医師がMRIを撮ると言っていたが、後任の医師にそのことが伝わっておらず、MRIを撮影せずに症状固定していた。
【立証ポイント】
医師はXP(レントゲン)から圧迫骨折を認めていた。確かに、臨床上ではそれで十分であるが、保険手続上では圧迫骨折が事故受傷による新鮮骨折か、さらに、どの程度圧壊しているかをMRIで確認する必要がある。本件の医師は業者を嫌うタイプと聞いていたので、病院同行はせず、依頼者にMRIを医師に依頼する話法を具体的に指示した。幸い、医師と信頼関係を築いており、前任の医師が撮影する約束をしていたこともあり、無事に検査に進んだ。
圧迫骨折の画像を比較(参考画像)
続いて、被害者請求で使用するためにCDに焼いて頂き、かつ、画像所見について書面でまとめて頂くように指示した。後日届いた画像、診断書を確認したところ、事故からしばらく経過した後の撮影だったためか、明らかな新鮮骨折を示す高輝度を確認できなかった。このまま提出しても陳旧性(古傷)から非該当の危険があった。そこで、具体的な画像所見を説明した打ち出しを作成・添付した上で被害者請求に付した。微妙な判断で12級13号の可能性もあったが、結果として、無事に11級7号が認定された。
(平成29年6月)