【事案】
バイクに搭乗中、左車線を走行していた車の急な進路変更により、バランスを崩し転倒した。直後から全身の痛みに悩まされる。
【問題点】
外見上に軽度のピアノキーサインがあったが、現主治医は気にも留めていなかったよう。また、元々肩峰の高さに左右差があり、この先天性の左右差が、本件事故の鎖骨の突出よりも目立っていた。
【立証ポイント】
変形の等級を狙うべく、まずは優れた医師が揃う整形外科病院に転院をさせた。そこで、両肩のレントゲンと3DCTを依頼。初期は可動域制限もあったが、リハビリにより可動域はほぼ回復した。
したがって、鎖骨変形をターゲットに写真を撮影した。外見よりもレントゲンでの変形が分かりやすいが、自賠責は外見上での変形を認定理由にしているため、撮影角度を工夫し、写真を何度も撮り直した。さらに、先天性の変形について説明を加えた結果、なんとか12級の認定を受けた。
既存障害?と判断され、非該当の可能性も十分にあったが、審査側に伝わって良かった。本例も記憶に残る認定となった。
(平成29年6月)