今年に入って、腰椎の実績が続いたので、いくつか紹介しましょう。
腰椎捻挫は頚椎捻挫、いわゆるむち打ちに続いて多い交通事故外傷と思います。その認定もむち打ちに同じく、症状の一貫性・信憑性がポイントです。骨折等のない障害の立証は”信じてもらう作業”と言えるでしょう。
対して本件は骨折が診断されていたので、立証は比較的容易ながら、今度は圧迫骨折の11級が認められる椎体の変化を追う必要がありました。椎骨の圧迫骨折11級の認定では、どうやら圧壊率○%との明確な基準はないようで、画像上で明らかに確認できるほど椎体が潰れている必要があります。
本件は佐藤が追いかけました
12級13号:腰椎椎体骨折(70代男性・静岡県)
【事案】
タクシー搭乗中、右折待ちで交差点内で停止していたところ、信号無視のトラックに正面衝突され受傷した。直後から全身の痛みに悩まされる。
【問題点】
XPでは骨折が外形上、曖昧であったが、MRI画像で内部の圧迫骨折が確認できた。そのため、症状はひどいものの、圧壊が認められる11級に持っていけるかが勝負のカギとなる。
【立証ポイント】
すぐに病院へ同行し、3DCTの依頼に伺う。なんとか検査協力を得て、撮影後に後遺障害診断の予約を取る。やはり、圧壊が外見上は分からず、あっても数ミリ程度であった。3DCTの画像所見と内部損傷のMRI画像を打出し、提出するも12級13号認定となった。自賠責の基準上やむなしだが、圧迫骨折11級7号に届かず、少々悔いの残る結果となった。