【事案】

バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。大腿骨骨幹部と膝蓋骨を粉砕骨折、後十字靱帯損傷も併発した。大腿骨は髄内釘で固定、膝蓋骨はKワイヤーで整復した。いずれも骨癒合が進展するも、後十字靱帯損傷の損傷もあり、足底版付きの装具を装着する必要が残った。
【問題点】

画像を確認したところ、癒合後の大腿骨に変形がみられ、左右足の長さも差が生じていた。また、靱帯損傷も明らかにしなければならない。立証作業の量多く、難度も高いことから、弁護士から立証作業の依頼を受けた。

【立証ポイント】

下肢の複合損傷は、最終的な併合等級の設計図を描くことが大事である。

幸い、リハビリ先の医師は既にストレスXPを実施していた。後遺障害に理解のある医師のおかげで大助かり。綿密な打ち合わせの後は、弊所で作成した膝専用診断書に余すところなく、画像所見、検査データ、症状、装具の使用状況を落とし込むだけである。

大腿骨の屈曲変形(12級8号)と短縮障害(13級8号)は併合せず、優位等級が認定される。したがって、大腿骨の変形で12級、後十字靱帯損傷による膝関節の動揺性で12級7号、設計どおりの併合11級に収めた。

ご紹介頂いた弁護士の期待に応えて案件をお返しした。

(平成28年8月)