■ 後十字靭帯損傷
↓ 膝を裏側から見ます
膝の真ん中後ろに、前十字靱帯(ACL)と交差するようにある靱帯が後十字靱帯
PCL= posterior cruiciate ligament です。
ACLに同じく膝の前後の安定を保つ働きをします。特に脛が膝から後方へずれないように引っ張っている様子が左の模型図からもわかります。
<損傷の原因>
前十字靱帯に比べ2倍の強度があるため、その損傷には強大な力が必要です。膝を90°に曲げた状態で、膝下の脛骨に前方から力が加わり生じます。スポーツ外傷や交通外傷などによることが大半を占めます。自動車では衝突の際、膝をダシュボードに打ちつけて受傷することが多いとききます。また膝蓋骨・脛骨顆部骨折や側副靭帯の損傷と併発することも多く、周辺組織の修復術が伴います。
前十字靱帯損傷と逆の動き、すなわち後方への不安定性を診断します。右図のようにすねの落ち込みが視認できます。しかし急性期では疼痛のため筋肉性防御で診断が容易でないことがありますので、麻酔を行い、後方不安定性をテストします。画像ですが、X線では写りません。やはりMRIです。MRIでは、正常の靱帯は黒い均一な靱帯として見えますが、損傷があるとはっきり描出します。しかし、切れていることがわかっても重要なのは後方不安定性の程度ですので、関節鏡検査で合併損傷の確認とともに、不安定性の検討が必要です。
<治療と手術>
後十字靱帯損傷による後方不安定性は、前十字靱帯損傷に比べその不安定性が大きいのにもかかわらず自覚的な不安定感を訴える例は少なく、スポーツ選手でも治療せずにスポーツ活動に復帰している例も少なくありません。軽度損傷では固定装具を装着し、保存療法が一般的です。リハビリは大腿4頭筋を中心に行います。
後十字靱帯再建術は、前十字靱帯再建術に比べ手術が難しいこと、不安定性があっても自覚症状の少ないことから、長い間手術は避けられてきました。しかし、近年再建技術の向上とともに、積極的に手術を薦めるようになってきました。
断裂の場合、後十字靱帯でも、前十字靱帯に同じく、使用する腱は骨付膝蓋腱が主流です。他に多重折り半腱様筋腱の使用することもあります。最近は2本の線維を再建する2本再建が行われるようになっています。
<後遺障害立証と等級>
基本的に前十字靱帯と同じパターンです。前日の業務日誌を参照して下さい。
→ 膝の後遺障害 7 ~ 前十字靱帯損傷 3
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