昨日は静岡まで病院同行でした。夜8時位まで病院に滞在することになりました。
 
 ミッションはTFCC損傷の後遺障害診断書の依頼です。尺骨突き上げ症候群を併発しましたので、尺骨の骨きり術を行い、症状固定が大幅に遅れました。症状は軽減しましたが、完治・治癒とはならず、残存した痛みを診断書に落とし込まなければなりません。
20141203_2 
 尺骨突き上げ症候群での骨きり術・・・TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷の場合、関節鏡視下手術により損傷した靱帯の縫合・再建術や滑膜切除術を実施します。尺骨突き上げ症候群を併発すると、手首の小指側の激痛で苦しみます。橈骨に比べて尺骨が長すぎると、尺骨茎状突起がTFCC部を突き上げるからです。そこで尺骨の長さを縮める、骨きり術を行います。
 
 この手術は専門医の高い技術が要求されます。術式を行った医師は当然に高いプライドを持って手術をしています。したがって、術後、「この程度まで回復すれば、日常生活に影響はない」、イコール「後遺症はない」と判断します。治そうと技術を駆使し、努力を重ねてきた医師にとって、当然の思いです。

 それでも、被害者さんは残存した症状について補償を求めなければなりません。私達は治療の成果とは切り離して、後遺症の診断を医師に促すのです。特に手関節の専門医は何故か厳しい先生が多く(過去3人すべて!)、なかなかにヘビィな仕事です。本件も面談拒否で一切、話を聞いてくれませんでした。それでも、医師は患者さんにはやさしく、依頼者さんも上手に対応したようです。なぜなら、面談拒否を予想し、事前に私と打合せを重ねていたからです。

 結果として、可動域は該当等級に及ばずとも、痛みを主訴とした診断書が仕上がりました。
 
 帰りは新幹線を待つ時間、居酒屋で金目鯛の煮つけを頼みました。事務所のある築地で食べたら、とんでもない値段ですが、駿河湾までくれば気軽なお値段です。

2016100319110000

 煮魚の王様です! 小骨が多いのが玉にきず。小骨を取りながら、わずか2mmの尺骨・骨切り術を執刀した医師の技術に思いをはせました。